いけばな嵯峨御流

5月12日。いけばなインターナショナル神戸支部で、村上巨樹先生と一緒にデモンストレーションを致しました。

5月12日。いけばなインターナショナル神戸支部からお招きを受け、デモンストレーションをさせて頂きました。

今回は、華道総司所理事として嵯峨御流兵庫南地区を統括して下さっている、村上巨樹(なおき)先生にもデモをして頂きました。村上先生は45歳。技術も気力もお人柄も素晴らしい方で、次代の嵯峨御流のホープのお一人です。

村上先生の作品は、①真竹の五重切りにカマツカとすかし百合。②嵯峨御流が昨年発表した新型花留め「嵯峨八葉蓮」に鴫立沢楓と紫陽花で爽やかな心粧華才の花。③生花様式でカキツバタの魚道。シロバナの縦姿、紫の横姿。④今年の御題花器「野」に、珍しい八角蓮とシラン。

わたくしの作品は、①荘厳華の大作。仏前を飾る祈りの花として誕生した荘厳華は、密教の六大を花型の根本にしています。宇宙の森羅万象である「地水火風空(ちすいかふうくう)」を明確に枝で表現し、その中心をまとめるのが「識」。すなわち、宇宙は、目に見える森羅万象と精神の働きの調和の姿だと捉えているのです。この思想を花で表現しているのが荘厳華の姿です。

空(くう)の枝として用いた真竹のタケノコは、若さと勢いのシンボル。識の部分には神戸の花である紫陽花、華やかな芍薬との取り合わせで、今日お集まりの150名の皆様とのお出会いを寿ぐ花としました。②嵯峨御流の「景色いけ七景」より、神戸の風景を連想しながら、「野辺の景」サツキバイと「沼沢の景」花菖蒲を組み合わせています。身近にどこにでもある日本の美しい風景を、いけばなとして美しくいけて、人々に自然に関心を持ってもらうことは、環境保全の心を育てることにもつながると思っています③荘厳華、「そわか」をもちいて。(写真は、正面が横を向いた物しかありません。)

ご家庭でも簡単にいけていただける、嵯峨御流「そわか」に、棕櫚竹、カラー、鉄線、キキョウラン、ニューサイラン、ピンポン菊、擬宝珠の葉など。④昔から私の父と親しくしていただいていた会員の方から、この日の朝に、宇野仁松作の花器を使って下さい、とプレゼントしていただいたので、即興で斑入りツワブキとシロバナ鉄線を。父も祖父も、宇野仁松さんの花器が大好きでしたので、嬉しいご縁を感じました。

ご来賓のお一人として、東京からわざわざ臼井延子元I.I.会長様がご出席でした。臼井様とは、4月のI.I.世界大会でお世話になりましたので、再会を喜び合いました。もちろん、神戸支部の大勢の役員の方が、世界大会でご奉仕を勤められていました。

I.I.のモットーである<花を通じての友好>は素晴らしい言葉だと思います。今回のデモンストレーションでも、150名の皆様が花を見て笑顔になってくださり、改めて命の大切さや平和を願う心など、人と自然の関わり合いから多くの事を学ぶことができたと思います。いけばなは、言葉や国を超越して、花で心を通わせ会うことができる、素晴らしい交流を生むという事を、今回のデモンストレーションで改めて感じました。

舞台で共演した村上先生、助手を務めて下さった福居先生、福家先生、伊東先生、花材調達や運搬一切をお世話になった大阪園芸社の松岡さん、ほか私の教室の京都大阪の社中さんにも早朝から夜まで何かと助けて頂き感謝しています。

そして、この会にご参加下さった嵯峨御流の皆様に感謝です。最後になりましたが、会場が満員でお断りの方がいらしたそうですが、そういう方もあわせて、I.I.神戸支部の皆様、本当に有難うございました。

写真は、阿部朋也さんが撮影して下さったものです。

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