5月、葵祭の月。大田神社のカキツバタ。
4月29日の昭和の日に、合わせたように初めての花が咲くと言われる、京都市内北区にある、大田の沢のカキツバタ。国の天然記念物に指定されているこの沢のカキツバタは、平安時代の和歌にも詠まれています。
神山(こうやま)や 大田の沢の かきつばた ふかきたのみは 色にみゆらむ
藤原俊成
上賀茂神社の側にあって、今は上賀茂神社の摂社である大田神社の境内にあり、京都三大祭りの一つで最も歴史の古い葵祭が行われる5月15日頃、大田の沢のカキツバタは最盛期を迎えます。
この花は、法眼玲子様が4月30日に撮影された、今年の第1番目の花です。
嵯峨にある料亭「翁」さんの玄関先に、葵祭にゆかりの双葉葵が。近くに寄って裏を覗かないと見えないほど奥ゆかしい花が咲いていました。
葵祭は、上賀茂神社と下鴨神社のお祭で、行列の斎王代をはじめとして全ての人や物、車を引く牛まで葵の葉で飾られます。葵は、古く<あふひ>、と書き、<ひ>は太陽、生命力、神霊を指した言葉で、<あふひ>は逢ふ日、即ち神に出逢うと言う意味があるそうです。
平安時代から、単に祭といえば葵祭を指したように、雅な祭が、京都の夏の到来を告げます。