2月26日。北海道地区連絡協議会主催、いけばな公開講座。
平成29年2月26日。北海道地区連絡協議会主催「 嵯峨御流いけばな公開講座『華やかな平安文化の薫りをいける~大切にしたい北海道の風景~』」は雪の降る中、北海道立近代美術館の講堂で開催され、会場には嵯峨御流の50名程の方と北海道大学の関係の方々などで盛況でした。
まず、佐々木祥甫北海道地区連絡協議会運営委員長のご挨拶で、「今日は、嵯峨御流を御存じの方も、そうでない方も、いけばなをしている方もそうでない方もいろいろな方がおられます。でも皆様お花を好きだということでは同じだと思います。」とご挨拶がありました。
続く講師紹介では、真板昭夫北海道大学観光学高等研究センター特任教授、服部孝月華道企画推進室長、私がそれぞれ一言ずつご挨拶をさせていただきました。
第1部の講演は「いけばなで環境を守る」 講師は辻井ミカ。第2部の講演は「景色いけ七景三勝が表す日本の自然」 講師は真板昭夫特任教授。デモンストレーションは、私と服部孝月先生、および北海道司所の先生方が助けて下さいました。
①北海道の深山の景。(株)グリーンワールドの畑会長様からご提供いただいた4mの高さの蝦夷松を使わせて頂きました。 そして、大切に毎日事務所で温めて咲かせて下さった、満開のチシマザクラをいけたとき、会場からはため息が聞こえました。この雪の中、桜を見ることができるのは誰の心にも嬉しいものです。
②ハルニレの森林の景。ハルニレは、アイヌの文化にとって大切な樹です。葉の出ていない大きな樹を採取させていただき、舞台いっぱいに、北海道の深山の風景とハルニレが広がりました。
③花衣桁は、本州から持参した様々な松と、華やかな蘭・レンギョウ・薔薇などを取り合わせ、華やかな平安文化の薫りをテーマにいけました。様々な器を京都から持参しましたが、一点、今回の公開講座の為に、北海道のガラス作家であり嵯峨御流門人の高臣大介様が、「泉」をテーマにした、ほとばしるような力を感じる素晴らしいガラス器を作ってくださり、本日の最後の一作を飾らせて頂きました。おわりの言葉は、前司所長 有馬実佐甫先生。北海道での嵯峨御流は、故・南秀月先生が昭和40年代に開かれました。そして、お亡くなりになった今も 南先生のお花に対する情熱は司所員の方々にしっかりと受け継がれ、≪チーム南≫と呼ばせていただきたいくらい、司所の全てのスタッフの方が一つになって素晴らしい和を以て活発に地域と関わりながら活動しておられます。
今回を以て、3年前から始まった、「嵯峨御流いけばな公開講座『華やかな平安文化の薫りをいける』」、全国17地区すべての最終回となりました。
私にとりましては、嵯峨御流のすべての地区と司所の皆様に直接お出会いできる貴重な機会となり、また同時にそれぞれの土地の文化の力を改めて知る事ができました。これからも、積極的に地域へ出向き、より多くの嵯峨御流の皆様の活動に直に接する機会を持たせていただきたいと願っております。