11月28日。大正大学仏教学部 仏教学基礎ゼミナールの実技授業を担当しました
東京都内にある、大正大学仏教学部仏教学科「仏教学基礎ゼミナール」の授業で荘厳華の実習をご指導致しました。受講生は34名、うち女子は3名ほど、そしてほぼ全員がお花をいけるのは初めてです。
荘厳華は真言密教の六大を表したお花ですので、まず三つ具足や六大の構成の原理などを説明し、六大の枝の作り方なども解説した後、私が参考花をいけ、そのあと皆で同時に一枝ずついけていきました。皆、大変熱心に取り組まれ、90分の授業時間が終わるころには、全員、素敵な花がいけあがりました。感想を聞いてみると、嵯峨御流の新型荘厳花器「そわか」が挿しやすく楽しかったという人が多く、花は、いけていく過程に喜びがあることを実感して頂けたようで、とても嬉しく思いました。仏教に密接に関わっている荘厳華を、大正大学仏教学部という学びの場で こうして毎年実践して頂けることを、有難く思っております。
レジメより、荘厳華について簡単にご説明いたします。
「荘厳華は真言密教の宇宙観である「六大」を花で表現したものです。六大とは、地・水・火・風・空・識。密教では、宇宙はこれら6つの要素でできていると考えられています。いける時は、この六大をそれぞれ枝に振り当てていきます。六大それぞれの性質を踏まえた姿になるよう植物を見立てて選び、あるいはふさわしい姿になるよう撓めて挿し、いけ上がった花は一つの調和ある姿になるようまとめます。いけあがった荘厳華は、すべての花枝の足元が1本にまとまり、水際から直立に立つ姿になり、色彩的・構成的にも重厚多彩な花で、神事・仏事・婚礼・宴席など、荘重な場を飾る花として、見る人の心が浄化されるような、荘厳な雰囲気になります。」