いけばな嵯峨御流

10月15日。I.I.Washington D.C.支部創立60周年記念式典において、デモンストレーションをさせて頂きました。

爽快な秋晴れの日になりました。Sheraton Reston Hotelには、ご来賓を含む約150名余りの会員がお集まりになり、記念式典と華展が開催されました。会員は、非常に広いエリアにお住いだとの事で、何時間もドライブしてかけつけられる方もいらっしゃいます。

ご来賓、在アメリカ合衆国日本国大使館二等書記 川名洋介様ご夫妻にご挨拶させていただきました。ご夫人は景色いけのワークショップもご参加頂けることになっており、大変嬉しい事です。

13時から14時半までのデモンストレーションでは、9作品をいけ、花を通じての友好をモットーに、皆様と喜びを分かち合いながら、お祝いの花をいけさせていただきました。

 

<デモンストレーション内容>

⑴⑵の金屏風と緋毛氈は、会員のかたの手作りです。

 

⑴ワシントンD.C.支部の、さらなる発展を祈って、舟花器に、出舟の姿にいけました。スイリュウヒバと、

I.I.のシンボルであり、アメリカと日本の友好のシンボルである、桜に見立てた胡蝶蘭です。

 

⑵嵯峨天皇の御尊像の掛軸の前に、十二律管「奏」の花器を置き、菊花をいけました。いけた後、「四方の響」の鐘を一つ打ち、響にのせて平和の心が広がりますように、との願いを込めました。

 

⑶⑷⑸は景色いけです。

⑶深山の景。1m50cmほどの高さのヒバ、コニファー、などを主材に、ウメモドキ、ナツハゼを秋の彩として加え、古木の前には、黄菊とヒペリクム、ツツジ。

 ⑷野辺の景。会員の方のお庭の柳の古木から、勢いよく立ち上がり広がる、雲竜柳を主材に、様々な秋の花々をいけました。ヒカゲノカズラは入手できませんでしたので、アスパラガスを下草として使いました。

 

⑸ポトマック川”Great falls”の景。ツツジ、紫の小菊、ヤブラン。岩。

 ⑹瓶花。ザクロとサザンカ。ザクロは、中国では多産や子孫繁栄の象徴として吉祥の植物とされています。後を継ぐ子孫が次々と現れ栄えますように、という願いを込めていけました。

 

⑺荘厳華。テーマは「双鶴」としました。この作品に込めたストーリーをご招待します。

嵯峨御流荘厳華器「鶴翁」が、奇遇にもにもBruce先生の元に集まりました。一つは、10年前に、嵯峨御流ポートランド支部長の故岩下一様から譲り受けられたものでこの器をきっかけに、嵯峨の荘厳華に興味を持たれたBruce先生は、毎年来日して、大覚寺に参籠され、父に嵯峨御流の指導を受けられました。

もう一つの鶴翁は、1960年にI.I.から招聘を受けて祖父弘洲が渡米した際に、I.I.創立者ミセス ゴードン アレンに弘洲がプレゼントしたもので、その器が、I.I.サンフランシスコ支部を通じて、ごく最近にBruce先生の元にやってきたそうなのです。

二つの鶴翁のストーリーに私は感動しました。出会いとご縁が結ばれて、今日私がここに招かれたと感じ、是非二つを用いて一つの荘厳華 草花態をいけたいと思いました。

筒組は青竹です。この近辺には細い竹はあっても、太い竹はないので、取り寄せてもらい筒を作りました。パンパスグラス、ツツジ、ストレリチアの葉、ビンロウジュ椰子の葉を漂白したもの。懐前作りには、ギボシの葉、プロテア、アンスリウム、アスパラガス。

 

⑻見立ての花留めのお話をしました。身近なものを花留めに見立てる遊び心もいけばなですというようなお話をして、くつわを御所車の組み方にし、バラをいけました。

 

⑼3本の長瓶を一つに結び、総角結びを飾りにした、器を作りました。<結ぶ>という行為には、<産す>すなわち新しい命が生じるという意味があります。

花は、華麗な芍薬と、野生ならではの逞しい姿に育った鶏頭、紅葉しかけの新芽が麗しい楓を取り合わせました。

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