いけばな嵯峨御流

9月24日(土)JICA研修。6か国からこられた研修員の方に、いけばな景色いけを体験していただきました。

JICA研修で6カ国から6名の研修員の方に、伝統文化 華道、茶道の体験をしていただきました。6名の方々は、主に観光や資源管理、またツーリズムに関わる行政の方です。

午前はいけばな。私が講師を務め、景色いけ七景をデモンストレーションで説明しました。

レクチャー内容は、概ね次の通りです。

嵯峨御流の「景色いけ七景」は、山から海までの風景を、「連続した水の流れにより生まれるもの」という考えのもと、水の流れにそって生まれる7つの風景を水の取り方にわけて表現しています。水の連続性が生み出す自然風景に加え、さらに人が関わりを持つことから生まれる美しい風景は、その風景と接するたびに、私たちにそのいずれもが人にとって日々における勇気と元気の源となるエネルギーを与えてくれます。「景色いけ七景」は、そんな風景を花で表現し、見る人に自然を愛おしく思う心を育む役割を担っているものだと思うのです。今回JICA研修にこられた方々に、いけばなで、人の心に自然を慈しむ心を育てる事が環境保全の考えに繋がるのではないでしょうか、とお話しさせて頂きました。

ワークショップでは、野辺の風景を連想しながら、薄、女郎花、鶏頭、竜胆、撫子、日陰蔓を、いけて頂きました。

午後の茶道体験は、母 辻井宗けいが亭主となって、薄茶一服召し上がっていただきました。なにしろ、我が家は築120年なので、田舎家ですが、和の雰囲気は味わって頂けたと思います。お茶は、美味しく頂くため、また亭主が客をもてなすために、しつらえにも書や様々な工芸品を用いて、趣向を凝らします。日本の風土、豊かな自然、美味しくてきれいな水が豊富にあるからこそ生まれた文化といえます。

皆様、熱心に話を聞かれ、作法に従ってお薄を召し上がった後、今度は各自がお茶をたて、自分がたてたお茶に舌鼓をうっておられました。自然の中でお茶を楽しむ事も出来ますよ、と母が籐の茶箱を持ち出し、中に仕組まれた小さなお茶碗や建水、茶杓などをお見せしますと、皆様一層興味津々。自然を愛でる楽しみを花とお茶で味わって頂いた一日でした。

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右端の男性は、NHKのプロジェクトXにも出演したことがある釧路国際ウェットランドセンター主幹 新庄久志/氏。jICA研修のコースリーダーで、約1か月半の行程すべてにおいて、皆様を引率指導されます。

 
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