5cmの葦牙(あしかび)
7月25日の遊花一日夏期大学でのデモンストレーションの為に、採取して下さった葦。
酷暑の中を、材料集めの為に川辺まで足を運んで下さった方のご苦労を思いながら、有難くいけました。
『古事記』の冒頭 創生の神々を述べたくだりに、早春の湿地に生える葦牙を崇めて「宇摩志阿斯訶比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)」と記されています。「うまし」は「美し国(うましくに)」などというように、良いものという意味。「あし」は葦。「かび」はカビと同じ語源で、醗酵するとか、芽吹くものという意味。すなわち、「あしかび」は「葦の芽」のことになります。葦の芽吹く力強さから、生命力を神格化し活力を司る神として、男性の神の呼称「ひこぢ」が付された神の名前です。
創生に現れる五柱の神のうち、実体をそなえているのは この葦の神だけなのです。
楽屋にストックされていた、手のひらに載るほど小さ葦牙を、我が家へお連れ致しました。