いけばな嵯峨御流

京都の祇園祭には、檜扇のいけばなが家々を飾ります

京都では、祇園祭が始まりました。
869年(貞観11年)、京の都で疫病が流行したため当時の国の数である66本の矛を神泉苑に立てて、悪疫退散を祈るために行われた祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)を始まりとして1100年以上の歴史があります。7月1日の吉符入りから31日の疫神社夏越祭(えきじんじゃ なごしさい)までの1か月間、ほぼ毎日様々な神事が執り行われます。

この季節には、皆様のいけばなのお稽古でも、檜扇(ヒオウギ)をいけておられる事と思います。この檜扇は、アヤメ科の植物で、扇を開いたような葉の姿が特徴です。古代、檜扇は悪霊退散に用いられたことから、怨霊の怒りを鎮めるために始められた祇園祭には特に“祭花”として檜扇が欠かせないものとされてきました。夏に橙色や黄色の花を咲かせるこの花は、お祭りの風物の一つとしてよく民家の軒先などに飾られていたのですが、昨今は少なくなってきたようです。

今年、祇園祭に檜扇をいける文化を、花卉生産者・流通・小売・自治体の関係者でつくる「京都府花卉振興ネットワーク」が各山鉾町によびかけて、33の山鉾町のうち、約半数が展示してもらうことになった、という取り組みが京都新聞で報道されました。素敵な檜扇のいけばなが鉾町の家々を飾る・伝統的な風景の復活に尽力されている活動が紹介されている誌面をご紹介いたします。

平成26年6月に成立した「花卉の振興に関する法律」が、平成26年12月1日に施行されました。日本伝統文化いけばなの花材を提供する、花卉生産者を守る国の法律です。

 

 

 京都新聞に掲載の記事です

http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20150711000062

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