いけばな嵯峨御流

山陰地区連絡協議会いけばな公開講座において、デモンストレーションを行いました。

平成27年6月14日(日)、嵯峨御流山陰地区主催のいけばな公開講座「華やかな平安文化の薫りをいける」が島根県松江市で開催されました。講師として、私と西村強甫華道芸術学院長が出向し、風景をいけるいけ方「景色いけ七景三勝」のうち、「深山の景」「沼沢の景」や、「花衣桁」、「荘厳華」、「花包み」などのデモンストレーションを致しました。受講生の皆様が身を乗り出すようにして見入ってくださって、感動しました!花材は地元松江の花屋さんが素晴らしい花を用意してくださり、ほかにもお家の暖竹や疑宝珠、大覚寺の菱などを持ち寄って下さったおかげで、季節感と臨場感あふれる景色いけになりました。 

私の挨拶の中で、「嵯峨御流のいけばなで、一人一人が社会に対して何ができるかを考えるきっかけとなれば幸いです」とお話ししたように、講演の中では、2007年10月に京都駅ビルで行われた「日本をいけるプロジェクト『ニッポンノケシキ』」で京都駅ビル全体に、いけばなで日本列島を描いて、環境保全を訴えたイベントについてもお話ししました。
当時全国120あった嵯峨御流の司所が、自分の地域の宝である風景を景色いけ七景のいずれかで表現され、その中で山陰地区の4司所は地元の風景を次のようにいけられました。鳥取司所「山陰海岸の風景」(海浜の景)、米子司所「伯耆大山の景」(想い花 深山の景)、大田司所「三瓶山の景」(森林の景)、石見司所「江津海岸の」(海浜の景)。そして、山陰地区連絡協議会合同でいけられたのは、「石見銀山の景」でした。
これからの社会の中で、私達は地球の平和と環境と水の問題を考えて行動しなくてはいけないと思います。伝統文化いけばなの中でも、仏教の思想体系を持ち、水の連続性が風景を生むという発想を花態に表現しているのは、嵯峨御流独特のものです。伝統文化いけばなを通じて、大いに社会に貢献していきたいという気持ちを、講演で皆様に語りながら、自分自身もさらに強く感じました。

会場の皆様はとても前向きで素晴らしい方ばかりでした。お世話になった役員の先生方のおかげで、会場の皆様と一体感が持てた、素敵な公開講座になりましたこと、心から感謝しています。

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