2月17日。大覚寺「峩山学林(がざんがくりん)」のご報告
『峩山学林』 は、大覚寺派教学研究室主催の教師研修プロジェクトです。そのなかで、特別分野として、今回は書家で篆刻家の瀬原加奈子先生による、印(いん)のお話と実際に印を彫る実習が行われました。僧侶の方に混じって一般の方や華道関係者あわせて40名ほどが参加されて、先生がご用意くださった印材(すでに先生が「吉祥」と篆書体の下書きまでしておいてくださったもの)に教わったばかりの刀法で刻んでいきました。がりりと石を削る音とともに、初めはごわごわ、だんだんなれて刀を持つ指に力が籠る。
出来上がった一人一人の作品を、先生に見て頂く。その印影を見ながら解説を交えて印材にわずかに刀を入れてくださると、見違えるように線がくっきりと明るく浮かび上がり、あるいは余白が引き締まります。先生の、ミリの刀の動きが作品の出来を何倍も引き立てるのを大写しの画面で40人分見ることができて、我々はとても大きな学びを得ました。しかし、集中の連続と右手を動かし続ける先生のお疲れはいかばかりであったことでしょう。先生への深い感謝と共に、充実した『峩山学林』特別分野の企画に感謝、有難い一日でした。