「嵯峨嵐山の魅力を考える。」 シンポジウムでパネラーをつとめました。
NPO法人さらんネット設立20周年記念事業として、11月1日午後3時から、JR嵯峨嵐山駅前のホテルビナリオ嵯峨嵐山で開催されたシンポジウム「嵯峨嵐山の魅力を考える。」は、国会議員、市会議員の方々、右京区長はじめ行政の方々、地元の方々、嵯峨御流からも数名併せて約80名のご参加で会場が埋まりました。
パネラーは、松井孝治京都市長様、嵯峨商店街前会長 加藤就一様、一般社団法人嵐山保勝会代表理事 牧野順二様、と、わたくし。コーディネーターはレジリエントシティ京都統括監の藤田裕之 元京都市副市長様。
嵐山の魅力や課題について、話し合うシンポジウムのサブテーマは「このままでいいのか、嵯峨嵐山!」
松井市長様からは、嵯峨嵐山の魅力と課題、オーバーツーリズムへの対策の必要性、またご自身にとっても憧れの地であると熱いお話。その中で、磯田道史教授のYouTube動画が11月1日に公開されることを発表なさいました。「磯田道史教授presents嵯峨の魅力」二尊院、化野念仏寺、常寂光寺、落柿舎、祇王寺の五カ寺がそれぞれ紹介されていて、祇王寺もとてもわかりやすく説明されています。
加藤様は、海外から観光客への受け入れ側の心がけなど体験談を踏まえてお話しなさいました。
牧野様は、嵐山保勝会として地域との協力で、嵐山での交通事情の改善のためコミュニティバスの運行などの具体的な提案を話されました。
わたくしは、枕草子に「野は嵯峨野 さらなり」と謳われた嵯峨嵐山の風景の価値は、この自然の風景に憧れインスパイアされた先人の匠の芸術文化と共鳴し、百人一首を生み出したり、七景三勝の嵯峨御流の景色いけや、嵯峨天皇による中国の文化を日本固有の文化に昇華して日本の母文化を生み出したりした発祥の地であることですと述べました。
嵐山の渡月橋は、大堰川右岸の法輪寺(開創713)に、平安時代、空海の弟子道昌によって安置された虚空蔵菩薩を拝まれたいとの嵯峨天皇の御幸のためかけられた橋で、橋の名前は、もとは「法輪寺橋」、また「御幸(みゆき)橋」の名であったということや、嵯峨天皇の離宮に源を発する文化芸術の拠点であり、いけばな嵯峨御流発祥の地でもある嵯峨。そして嵯峨嵐山の役割、奥嵯峨の魅力など、宮廷文化に彩られた嵯峨の風景を大切にしていきたいとお話ししました。
最後に、嵯峨御流の取り組みとして、現在全国106司所で展開している景色いけで環境保全の心を育てる活動についても触れました。
コーディネーター藤田様から、最後に、嵯峨嵐山の課題の向こうに見える様々な可能性や魅力を共有し、さらに皆さんに当事者としての思いも伝えられたと確信しているとのご発言で閉会となり、わたくしも実感としてこのシンポジウムでは、嵯峨嵐山の観光の課題と、現実的な対策。嵯峨嵐山の歴史や文化を共有する事など、実りあるディスカッションがなされた意義深い機会であったと思いました。