いけばな嵯峨御流

令和7年御題「夢」の作品と御題花器の発表会。9月26日。

嵯峨御流では毎年、天皇様が催される歌会始の御題に因んだ作品と花器を創作して、新年に全国の門人の皆さまと共に御題花をいけています。
令和7年の御題は「夢」です。将来実現させたい理想や希望と解釈して、渋沢栄一氏の座右の銘と言われる「夢七訓」を取り上げ、そこから触発を受けて創作した御題花です。創作した花器は「夢」の漢字をイメージしたものです。
夢の漢字の成り立ちについては諸説ある中、夕暮れ(夕の部分)に草むら(草冠の部分)からものを見ている(罒の部分)様子」の象形という事ですから、このたびの御題としては、「草むらから未来を見つめる目」と前向きな意味にとらえて制作しました。
扁平な形で上から見ると目の形をしています。色は若緑釉、総じて緑からイメージされるのは平和、安定、安全、中立、新鮮、健康、生命力、自然など。バランスを整え、優しく平和な気持ちになれるものでもあります。
さらにこの花器、4つ繋ぐと七宝の形になり、さらに3つずつ足していくと七宝つなぎの模様になっていきます。置き方を工夫すれば葉っぱのようにも、月桂樹の冠のようにもなり、夢が広がる器なのです。
お正月は御題花をいけていただくとして、常にこの花器をフル活用していただきたいと思います。わたくしからは合計9作品をいけてテキストに載せ、ご提案していますが、どのように使うかは挿花者の創意と工夫で。

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