いけばな嵯峨御流

令和甲辰 中秋

9月17日、旧暦の中秋。
今宵も見事な名月と池に映る月の両方を拝むことができました。全職員の方が池の余分な水草除去のために一週間以上ほぼ毎日尽力されたおかげで15日からの三日間、美しいお寺と池を背景に行われた観月の夕べはでは嵯峨天皇の時代にタイムスリップしたかのように、龍頭鷁首舟が行き交う池の水面に月が映り込み美しかったです。もと嵯峨天皇の離宮にして後に御所となった旧嵯峨御所 大覚寺。大沢池は現存最古の庭園池で、嵯峨天皇が貴族を招いて月を愛でる宴を催された、同じ場所です。
法要の後のお寺様のお話で、嵯峨天皇様は離宮嵯峨院のこのお庭に貴族を招かれてお月見をなさった場所ですから、皆様も今日は嵯峨天皇様にお招きをうけた、そのような気持ちでお過ごしください、また空海様ともいろいろなお話をなさったところでもあります、というようなお話でありました。目の前のものだけを見るのではなく、本質を見ること。全てのものを美しく見る心を持つこと。という空海のお言葉や、源氏物語胡蝶の巻に龍頭鷁首の行きう様子が描かれているなど、貴重なご法話を伺えて、満ち足りる思いです。

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