いけばな嵯峨御流

7月28日。Summer College☆2024

華道総司所主催、華道芸術学院で開催された今年のSummer College☆は「シン・日本をいける」のテーマで、基調講演に環境共生学博士白砂伸夫先生をお迎えして「環境といけばな」のご講演をいただきました。白砂先生は、気候危機といえる現代の環境問題の深刻さと、地球という奇跡の星の近未来を救うのはいけばな、特に景色いけの発想であるという大変興味深いお話しでした。嵯峨御流の景色いけは、他にはない嵯峨御流独特の花態で、山から海まで連続した水の流れが生み出す自然の風景を特徴ある7つの水の取り方に分けて、美しくいけるのみならず根底には命 水すなわち命は連続した系の中でいきいきと存在するという発想が特徴です。
 
いけばなデモンストレーションは小題を「清風在竹林」として大覚寺大沢池の風景を景色いけの型に見立てて、ご覧いただきました。大覚寺竹林の竹を舞台全面に配し、向かって右には竹林の野辺の景、向かって左には蓮と睡蓮で沼沢の景。
舞台の大きな景色いけを見ていただいた後は、この度復刻して販売される、極小さなミニチュアの七宝一組を用いて、可愛い水草や野の草花を食器やお皿を花器に見たてて、小さくてお部屋にもおける景色いけをご紹介しました。
 
実技では、嵯峨御流伝書の初伝と中伝にも出てくる、嵯峨好「夢窓」の竹器を想い入れながら、大覚寺竹林の竹を用いて、各々ノコギリとノミで窓を穿つ実習をしました。
出来上がった自分の竹器に、各自風情よく5種類の秋草をいけて、とても楽しそうに実習されていました。
 
年に一度、総司所が総力あげて全国からの受講生をむかえて行われるこの企画、今回基調講演を含めての「シン・日本をいける」は、令和8年に大覚寺寺号勅許1150年を迎えるにあたり、華道事業として令和8年4月に行われる大華道展「シン・日本をいける」開催に向かっての示唆的内容となりました。
 
 

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