いけばな嵯峨御流

令和四年元旦 大覚寺の曙

古くから大覚寺では元旦から二日にかけて六座の「修正会」(旧年の穢れを懺悔の行により祓い新たな年の平安を祈る法会)が執り行われております。
令和四年、元日の朝6:30から行われる修正会の第二座に参列させて頂きました。元旦は大雪となり、心経前殿での修正会の後、僧侶の方々が各お堂を回られる間、わたくしは一人で大沢池を見渡す観月台へ。池畔の木々はまるで花が咲いたような見事な雪景色でした。やがて「お口祝いの儀」が行われる時刻になります。宸殿紅梅の間へと渡る回廊から眺めるお庭も見事に雪に覆われ、またとない景色を心にしかと留めておきたく思いました。
厳かな「お口祝いの儀」には、門跡猊下、内局様、寺内を守られる僧侶の方々だけが列席されます。お口祝いでは、僭越ながら華道と総代を代表して門跡猊下に新年のご挨拶の言葉を述べさせて頂きました。
晴れの儀式が終わりましてからは、茶席での大福茶となります。楽しいお茶席のしつらえは、寺内の職員の方が、年末のうちに門跡猊下や内局様方のために心を込めてとりあわされたお道具や、碾きたてのお薄、丸いお昆布と北野天満宮から頂かれた梅干が用意されていて、猊下も皆さまも和かに歓談され、恒例により私が一服点てさせていただき、しばし楽しい時を過ごさせていただきました。

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