いけばな嵯峨御流

【総司所企画講座】新企画「ものづくり講座」を開講しました。

いけばな通信

京都府に発出されていた緊急事態宣言が10月1日に解除され、華道芸術学院では専修会や特別講座が再開しております。

そして10月2日、解除後初めての特別講座「ものづくり講座」を開催しました。

この講座は今年度からの新企画で、嵯峨美術大学との連携により実現しました。

今回は嵯峨美術大学 デザイン学科 生活プロダクト領域 准教授 楠林拓先生の指導のもと、水性樹脂ジェスモナイトを使ってオリジナルの花器を制作するという内容です。

※JESMONITE®は反応性ミネラルベースと純粋な水性アクリル樹脂からなる複合造形マテリアルです。
ジェスモナイトは樹脂でありながら、従来の一般的な油性樹脂とは質感が異なり、プラスチック特有のテカリ感がほとんどなく、石のような落ち着いた風合いをもつ素材です。アート、彫刻、家具、内装、ディスプレイ、アクセサリー、建築など、幅広い用途の立体物制作に使用可能です。

JESMONITE® Japan Distributorより

 

まずは楠林准教授がこの講座のためにデザインしていただいた型を組み立てます。

樹脂を流し込んだ際に漏れないように隙間なくテープで貼り合わせていきます。

少々苦戦されている受講生もおられる様子でしたが、皆さん集中して取り組まれていました。

 

午後からはいよいよジェスモナイトを型に流し込んで成型していきます。

まずはジェスモナイトの粉末と液体を混ぜ合わせて準備をします。このときに好きな色の顔料も一緒に混ぜ合わせて色付けします。

粉末と液体を混ぜ合わせると徐々に硬化していく性質を利用して、くるくると型を回しながら成型します。

この作業を数回繰り返し、厚みのあるしっかりした花器が完成します。

 

最後の流し込みの際は各自、もう一度色を選択し、それぞれオリジナルの花器になっていきます。

ジェスモナイトが硬化したら型を外します。ジェスモナイトは透水性のある素材なので、花器の内側に水漏れ防止のシーラーを塗布して完成です。

初めてのジェスモナイトを使った花器作りに、始めは戸惑いも見えた受講生でしたが、完成が近づくにつれワクワクしているのが伝わってきました!

自身で作った花器は愛着も一入!早速、挿花したいところですが、この日はここまで。参加された方にはぜひ、オリジナル花器に挿花された作品の写真をSNSに掲載していただけたら嬉しく思います。

参加者の皆さんからも「楽しかった」という声も沢山いただけましたので、来年度もこのような講座を開催できればと思います。

今年度は令和4年2月26日にもう一つの嵯峨美術大学とのコラボレーション企画「デッサン講座」の開催を予定しておりますので、こちらもぜひお楽しみにしていてください。

 

この日はジェスモナイト日本総代理店、シィアンドビィ株式会社の松本さんにもお越しいただき、ジェスモナイトの使用事例や特徴などをご説明いただきました。

また、講座の助手として嵯峨美術大学4年生の中塚さんにもお手伝いしていただきました。中塚さんは嵯峨美術大学で華道授業を履修されており、講座の最後には華道を通じて学んだことを聞かせてもらいました。花器作り以外にも学びのある講座となりました。

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