いけばな嵯峨御流

月刊『嵯峨』取材で、美術館訪問の機会を重ねて思うこと。

紙面がA4サイズと大きくなり内容もリニューアルしたのは2019年4月号から。編集に携わる職員の方々や華道の先生方の尽力で、毎号熱い想いを込めて制作されています。
工夫されているのは、いけばな作品の写真は大画面で見ることができ、文字よりビジュアルに重点を置いた25ページ構成になっていること。全国の司所活動のページは詳細をホームページで見ていただけるようにして紙面にはダイジェスト的に紹介するというホームページとの併載により充実度をはかっています。また、井上治 嵯峨御流学術顧問には書き下ろし論文をシリーズでのせて頂いています。表紙は、今年度のシリーズは大覚寺貴賓室である秩父宮御殿の襖絵で、この場所には滅多に入ることができませんので大変貴重な写真として永久保存したいものですね。
美しい本ですので、ご友人などにお広めくださいませ。

 

<秩父宮御殿>
ー2021年4月号p25より引用ー
秩父宮邸は秩父宮殿下のご住居として昭和2年に現在の秋篠宮邸地に建設され、昭和16年には日本館と呼ばれる木造平屋建の付属棟が建てられました。昭和20年5月25日夜半からの東京大空襲で住居は消失しましたが、幸いに日本館は火災を免れました。その後、大覚寺寺号勅許1100年記念に際して昭和46年に大覚寺に下賜され、貴賓館とされています。内部は3部屋からなり、大覚寺に移築されるに伴って土居次義、松元道夫、林司馬、吉田友一らによって四季折々の草木や野鳥の襖絵が描かれました。


<対談や美術館訪問の機会を重ねて思うこと>
リニューアル以来、読者の皆様に是非ともご紹介したい、美に関する事やご縁のあるお人や場所、主として美術館などを、私が現地へ伺って直接取材させて頂く形のページを頂いております。
「話の双葉」シリーズではお会いしたい方、お話を伺いたい方との対談。
「美に迫る」シリーズは、京都へこられたらぜひお立ち寄りいただきたい美術館などをご紹介。
今年度からは「美を支える人々」シリーズ。魅力ある美術館や場には、その場を創り支える情熱を持った人の力があればこそ!鋭い感性を感じる伝え方や見せ方、創意と工夫が凝らされた展示により、新鮮で強烈な感動が湧き起こります。

 

<守破離>
シリーズ取材で、佐川美術館を訪れた時「守破離」と書かれた扁額に出会いました。守破離は千利休の「規矩作法 守りつくして 破るとも 離るるとても 本をわするな」から来た言葉で、芸術全般にも通じる事です。
いけばなは型があるから面白くて奥深く、喜びは尽きることがありません。大自然の理を一瓶の中に表し、自然と同化するかのような境地に至ることも。

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