久美浜司所創立50周年記念華展
2014年10月19日の華展開会式において、華道総司所総裁代理黒田知正僧正に続いて、お祝いの言葉を述べさせていただきましたので、ここに抜粋して掲載させて頂きます。
昭和36年10月1日の創立以来、歴代の司所長先生や先輩の先生方のご尽力の元に、多くの司所員の方々が集われ今ここに九代司所長牧野美知甫先生を中心に素晴らしい花会を開催されましたこと、おめでとうございます。大きな行事を成されるまでの皆様の並々ならぬご精進とご努力に敬意を表します。
さて、久美浜司所のある京丹後市は、日本を代表する美しい風景に恵まれているところです。特に天橋立から続く小天橋、琴引浜といった海岸の、白砂青松の海浜の景は、嵯峨御流の「景色いけ海浜の景」のお手本にしたい、かけがえのない美しい風景です。世界の人が憧れる風景を、いけばなに生かし表現する喜びを、さらに次の世代の人々にも伝え続けて頂きたいと思います。皆様の熱い想いで紡がれた、久美浜司所の50年の伝統が今後さらに受け継がれ、益々発展されますことを心からお祈り申し上げます。
会場で、久美浜司所の先生から丹後地方に自生する京丹後市の花、トウテイラン(洞庭藍)の事を教えていただき、嬉しく思いました。瑠璃色の花色を中国の洞庭湖の美しい水の色に例えて、藍(青いという意味)の字が付けられたゴマノハグサ科ルリトラノオ属の植物ですが、今は絶滅危惧種となっており、その花を嵯峨御流の先生方は大切に育てられているそうです。花時は終わったので、来年はぜひ拝見したいと思いました。