10月の花 月刊「嵯峨」10月号
月刊『嵯峨』10月号の門跡様のお言葉は「更待何時」(さらにいずれのときをかまたん)。
「今すべきことは、今しなければならない」という意味です、と説かれており、私には耳の痛い言葉です。仕事を先延ばしにして心を苦しめるのも自分、一つづつ整理して爽やかな心で過ごすのも自分。
いけばなには、紅葉が美しいナナカマドを主体に使いました。
牧野富太郎博士によると、ナナカマドは材が堅いので燃えにくく、かまどに七度入れてもまだ焼け残るというのでこの名がついたと述べられています。別名「雷電木」は、雷除けの木ということで、家の軒先などに植える地域もあるようです。北欧にも西洋ナナカマドが自生しており、英名Rowan、又はMountain Ash、スコットランドではwiggen treeとも呼ばれ、神話によれば雷神トールが増水した河を渡るとき、このナナカマドに助けられたとされており、北欧などでは魔除けの木であるようです。出会わせた栗は、秋の豊かな実りを象徴して。
花材:七竈(ナナカマド)・栗・鶏頭・古木