2018年梅田阪急百貨店コンコースウィンドウに嵯峨御流が迎春花を挿花しました。2018年1月15日まで展示。~②~
平成30年を祝うウィンドウのいけばなは、年初に宮中で催される歌会始の御題「語」に因んで、
世界に誇れる日本の美意識を、未来に力強く切り開いていく糧としていくために、
*「いま、語り**継**ぐもの」***をテーマにしました。このテーマに沿って七面のウィンドウで表現したものは次の通りです。
本年 創流1200年を迎えました嵯峨御流が、心をこめて皆様にお届けいたします。
1号「語」歌会始に代表される伝統行事
2号「春」日本を代表する古典文学『源氏物語』に描かれる綺羅びやかな
生活文化
3号「戌」犬筥や雛道具などに託された祈りの造形
4号「魁」植物が告げる季節感と歳事
5号「翠」松に象徴される正月の寿ぎと神への感謝
6号「結」天地が水で結ばれ、生まれ出ずる多様な風景の大切さ
7号「祝」自分を含めた森羅万象の調和を貴ぶ心
梅田阪急百貨店コンコースウィンドウに2017年1月15日まで展示されている7面の作品を一つづつご紹介します。
嵯峨御流大阪地区の、100人と一緒に作り上げたものです。写真は、阿部朋也さん。時々私のスナップ写真もまざっていますが。
2号ウィンドウ「春」
源氏物語が描かれた平安時代、姫君達は十二単(じゅうにひとえ)に重ねる布の色合いで、優美に季節を表現されたことから、紅から白への「桜襲(さくらがさ)ね」の色目の衣裳に見立てた器をしつらえた。嵯峨天皇様が催された「花宴」が花見の初め、と伝わるように、花と言えば桜をさすようになったのは平安時代以降のこと。この作品の桜の苔木は、大覚寺大沢池畔の倒木を用い、「花咲翁」よろしく満開の桜花に見立てて海松を咲かせた。その大沢池のほとりに咲く一輪の花を嵯峨天皇様が挿花なされたことが嵯峨御流の源となった。
花材:桜古木・蛇の目松・椿・桜色着色海松