いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

10月20日~25日、「第50回いけばな大阪展~おおきに50年~」が、開催されます。

心斎橋大丸北館14階にて開催されます。嵯峨御流の花席28番。

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20日~22日 前期出瓶者

 
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23日~25日 後期出瓶者

 
 
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嵯峨御流 前期の作品です。3200mm×1500mm 花材はスイリュウヒバ、柿、クロトン、グズマニア

 

10月15日。I.I.Washington D.C.支部創立60周年記念式典において、デモンストレーションをさせて頂きました。

爽快な秋晴れの日になりました。Sheraton Reston Hotelには、ご来賓を含む約150名余りの会員がお集まりになり、記念式典と華展が開催されました。会員は、非常に広いエリアにお住いだとの事で、何時間もドライブしてかけつけられる方もいらっしゃいます。

ご来賓、在アメリカ合衆国日本国大使館二等書記 川名洋介様ご夫妻にご挨拶させていただきました。ご夫人は景色いけのワークショップもご参加頂けることになっており、大変嬉しい事です。

13時から14時半までのデモンストレーションでは、9作品をいけ、花を通じての友好をモットーに、皆様と喜びを分かち合いながら、お祝いの花をいけさせていただきました。

 

<デモンストレーション内容>

⑴⑵の金屏風と緋毛氈は、会員のかたの手作りです。

 

⑴ワシントンD.C.支部の、さらなる発展を祈って、舟花器に、出舟の姿にいけました。スイリュウヒバと、

I.I.のシンボルであり、アメリカと日本の友好のシンボルである、桜に見立てた胡蝶蘭です。

 

⑵嵯峨天皇の御尊像の掛軸の前に、十二律管「奏」の花器を置き、菊花をいけました。いけた後、「四方の響」の鐘を一つ打ち、響にのせて平和の心が広がりますように、との願いを込めました。

 

⑶⑷⑸は景色いけです。

⑶深山の景。1m50cmほどの高さのヒバ、コニファー、などを主材に、ウメモドキ、ナツハゼを秋の彩として加え、古木の前には、黄菊とヒペリクム、ツツジ。

 ⑷野辺の景。会員の方のお庭の柳の古木から、勢いよく立ち上がり広がる、雲竜柳を主材に、様々な秋の花々をいけました。ヒカゲノカズラは入手できませんでしたので、アスパラガスを下草として使いました。

 

⑸ポトマック川”Great falls”の景。ツツジ、紫の小菊、ヤブラン。岩。

 ⑹瓶花。ザクロとサザンカ。ザクロは、中国では多産や子孫繁栄の象徴として吉祥の植物とされています。後を継ぐ子孫が次々と現れ栄えますように、という願いを込めていけました。

 

⑺荘厳華。テーマは「双鶴」としました。この作品に込めたストーリーをご招待します。

嵯峨御流荘厳華器「鶴翁」が、奇遇にもにもBruce先生の元に集まりました。一つは、10年前に、嵯峨御流ポートランド支部長の故岩下一様から譲り受けられたものでこの器をきっかけに、嵯峨の荘厳華に興味を持たれたBruce先生は、毎年来日して、大覚寺に参籠され、父に嵯峨御流の指導を受けられました。

もう一つの鶴翁は、1960年にI.I.から招聘を受けて祖父弘洲が渡米した際に、I.I.創立者ミセス ゴードン アレンに弘洲がプレゼントしたもので、その器が、I.I.サンフランシスコ支部を通じて、ごく最近にBruce先生の元にやってきたそうなのです。

二つの鶴翁のストーリーに私は感動しました。出会いとご縁が結ばれて、今日私がここに招かれたと感じ、是非二つを用いて一つの荘厳華 草花態をいけたいと思いました。

筒組は青竹です。この近辺には細い竹はあっても、太い竹はないので、取り寄せてもらい筒を作りました。パンパスグラス、ツツジ、ストレリチアの葉、ビンロウジュ椰子の葉を漂白したもの。懐前作りには、ギボシの葉、プロテア、アンスリウム、アスパラガス。

 

⑻見立ての花留めのお話をしました。身近なものを花留めに見立てる遊び心もいけばなですというようなお話をして、くつわを御所車の組み方にし、バラをいけました。

 

⑼3本の長瓶を一つに結び、総角結びを飾りにした、器を作りました。<結ぶ>という行為には、<産す>すなわち新しい命が生じるという意味があります。

花は、華麗な芍薬と、野生ならではの逞しい姿に育った鶏頭、紅葉しかけの新芽が麗しい楓を取り合わせました。

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10月14日。アメリカ合衆国 国立 盆栽盆景園 創立40周年記念レセプションに参

国立樹木園(National Arboretum)の中にある、国立盆栽盆景園の創立40周年レセプションに、Bruce Wilson先生と伺いました。夜6時からの催しでしたが、首都ワシントン名物の大渋滞に巻き込まれ、遅れて到着。

 ここには、皇族ご一族の盆栽をはじめとして貴重な盆栽が見事に育てられています。わたくしは、米国盆栽財団があることを初めて知りました。

会場で、素晴らしい水石などを拝見し、レセプションでは、在アメリカ合衆国日本国大使館特命全権公使 尾池厚之様、二等書記官 川名洋介様にご挨拶させて頂きました。尾池様は歴史に大変御造詣が深くおありで、嵯峨天皇様の事に興味がありますとお話になられました。また、川名洋介様は、明日のデモンストレーションには、奥様とご一緒にご出席、また明後日の景色いけワークショップには、奥様がご参加下さると伺の事を伺い、大変光栄に思いました。

 また、一般財団法人日本盆栽協会の鈴木様ともご挨拶させていただきました。鈴木様は、毎年京都市のみやこメッセで開催されている盆栽展の企画をされておられる方だという事がわかり、お話が弾みました。

 国立樹木園は、入口から中を見渡しただけですが、環境の改善に尽くすことを目的に、1927年に農務省の研究教育機関として設立された広大な樹木園です。改めて機会を作って訪れてみたいところです。

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盆栽博物館に向かう前に、ホテル前でのスナップ。 向かって右から、Bruce Wilson先生、日本でBruce先生にお稽古をつけて下さっている島先生、  私。向かって左の3人は、Bruce先生の教え子の大学生で、今回のデモ&ワークの助っ人です

10月14日。「ポトマック川の景」の取材

首都ワシントンを代表する川はポトマック川です。D.C.からそれほど遠くないところにある、グレートフォールという場所を見せていただきました。

駐車場から滝に近づくと、いきなり目の前に怒涛のような流れと、荒々しい地層を刻んだ巨岩が現れ、息を飲みました。川の中央にある大きな岩は、「Pet rock」の愛称で呼ばれているそうです。 

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「ポトマック」の名前の由来は、北米の先住民族の一つ北米先住民族の一部族である、ポーワタンPowhatanが訛ったものだと伺いました。

首都ワシントンに流れ込む、ポトマック川河畔には、

明治45年(1912年)日本から贈られた、東京都荒川の桜が見事に根付き、毎年「全米桜祭り」が 開催されている事で有名です。この桜は、1980年代に荒川の桜が枯れてしまった時に、ポトマック川の桜が日本国へ贈られ、やがて荒川の堤が蘇ったという、麗しい友好のシンボルでもあります。今回お目にかかった米国人の方から、4月のワシントンはピンク色に彩られ、それはそれは美しいのです、と誇らしくお話になるのを伺いながら、私は明日のデモンストレーションには、米国と日本の友好のシンボルである風景を生み出す、ポトマックの河川の流れを、ぜひ舞台でいけて、風景に込められた想いを、皆様と分かち合いたいと思いました。

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河畔には、岩を覆うように、ツツジ科の植物のようなものがびっしりと生えています。

 

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そして、岩場の間に紫色の菊のような植物が可憐に咲いています。

10月14日、アメリカは橙色に、満ちあふれて。

ワシントンD.C.に滞在5日目。今日は、朝から花市場に、注文の花材を取りにいきました。市場はハロウィンのかぼちゃが一杯、デモンストレーションやワークショップ「景色いけ」の花材探しです。

午後は、会員の方の大きな庭園で様々な植物を切らせて頂きました。

終日、会員の方にお世話になりながら準備に没頭しました。いよいよ明後日15日に、Sheraton Reston Hotelで行われます。

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この庭園を任されている庭師さんに切ってもらって、様々な花材を切り 出しました。写真は、巨大な雲竜柳の樹から、大きな一枝を切ってもらっているところです。   

 

10月12日 WashingtonD.C.

I.I.WashingtonD.C.資料担当役員の方が、祖父弘洲と父博州が日米修好通商百周年を記念して1961年にD.C.の国立自然史博物館でデモンストレーションをした時に、弘洲が支部へ記念の品として贈呈した、雅整体の作品集を見せて下さいました。そして、二人で花材のバラを選んでいる貴重なスナップ写真も。

 

特に海外では、花材の調達にはとても苦労をします。いけばなで使う木などを売っている花屋さんはほとんどないので、自分で調達しなくてはなりません。といっても、日本から持ち出すのは難しいですし、道端の木を切るわけにはいきませんので、このスナップ写真のように、地元の方のガーデンで切らせてもらうか、または切れる場所を紹介して貰う事になります。おそらく1960年頃は今よりもっと調達は大変だったと思いますが。

 

私も、今回のデモンストレーションでは、注文した花材を会員の方の車で花市場まで取りに行き、そして木物は、広大なガーデンを持っておられるいけばな愛好家のお宅へ切らせて頂きに行きます。

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今回、D.C.へお招き頂いたご縁について。

嵯峨御流ワシントンD.C.支部長のBruce wilson先生は、昨年 I.I. Washington支部長に就任されました。

そのご縁で、I.I.支部創立60周年記念式典にわたくしは招聘を受けることになりました。

でも、さらに奇跡的なご縁のつながりがありました。

祖父弘洲が日米修好通商百周年を記念して、I.I.から招かれて1961年にD.C.の国立自然史博物館でデモンストレーションをした時の新聞記事を、Bruce先生から送っていただいたので、掲載させていただきます。

花は、言葉や国境を越えて友好の心を伝えられる、という事を改めて感じました。

 

The Washington Evening Star, February 17, 1960

“As its contribution to the celebration of the 100th anniversary of the establishment of official diplomatic relations between the United States and Japan, the Washington Chapter of Ikebana International announces two demonstration lectures on Japanese flower arrangement.

They are to be by Professor Koshu Tsujii, Grand Master of the Saga School of Ikebana, on March 21, 8 to 10p.m. and on March 22, 1:30 to 3:30 p.m.in the Auditorium of the Museum of Natural History.

Honorary Sponsors of Professor Tsui’s visit are the Embassy of Japan, the Japan-American Society, the Washington-Tokyo Club, and the National Capital Garden Club League.

Mrs. Eisenhower, Mrs. Nixon, Mrs. Christian Herter, Mme. Koichio Asakai, and Mrs John Foster Dulles head the list of honorary patronesses.

Reservations must be made in advance as no tickets may be purchased at the museum. For further information about Professor Tsujii’s visit call Mrs. Ralph S. McDowell, President of the Washington Chapter of Ikebana International 3328 Runnymede Place N.W.”

The Washington Post, April 3, 1960

“An arrangement of flowers is a work of art–if it has been done by Koshu Tsujii, Grand Master of Japan’s Saga School of Flower Arrangement. The 76 year-old artist, one of the world’s outstanding authorities on arranging flowers, recently demonstrated some of his techniques to members of the Washington Chapter of Ikebana International and their guests.

‘To have a desire to work with flowers.’ Professor Tskujii said, ‘is a wonderful thing.’ But as with any art, the desire, without discipline and selection, is not enough, he added.

To obtain the needed discipline, the professor advises the beginner to practice with only two or three ingredients.

Even better, he declared, is to study Ikebana (the Japanese art of flower arrangement) in classes such as those which are sponsored by may schools and women’s clubs in the country.

Ikebana International, with headquarters in Tokyo, was founded by a Washington woman, Mrs. Frank A. Allen Jr;, who is now honorary president. The local Washington Chapter, with over 300 members, holds four meetings a year in addition to monthly workshops direct by qualified teachers, and a yearly exhibition of best arrangements.”

 

国立自然史博物館

 

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11th. Oct. Washington D.C.に滞在初日目。

秋晴れの爽やかな日。

今日から、デモンストレーションとワークショップのために、I.I.会員の方が、毎日アテンドして下さって様々なところで.準備と花材集めをします。

 

今日は、D.C.の主要なところを見学させていただきました。Lincoln Memorial(リンカーン記念館)、Washington monument(ワシントン記念塔)、Capital(国会議事堂)、Botanical garden(国立植物園、the Museum of Natural History. (国立自然史博物館)

そして、Do It yourselfのお店を物色。

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Lincoln Memorial(リンカーン記念館)

 

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トランプ インターナショナルホテル ワシントンD.C.

 
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Capital(国会議事堂)

 
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Botanical garden(国立植物園) ワシントンの議会議事堂の手前にある、アメリカ最古の植物園。入場無料。 金明孟宗竹を、見つけました。

 
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The Potomac River(ポトマック川)の河川の風景

 
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Do It yourself の店。巨大な工場で、板を購入。

 

10th. Oct. Arrived Washington Dulles International Airport ,in Virginia, United States.

いけばなインターナショナルの161支部の中で最も歴史の長い、Washington D.C.支部の創立60周年記念式典に、デモンストレーターとして招聘を受けました。

10月10日.成田空港からChicago空港経由で、夜の8時半頃にWashington Dulles International Airport、へ到着。大きくて、いかにもアメリカという雰囲気の空港には、I.I.Washington支部長で、嵯峨御流Washington支部長のMr. Bruce wilson先生がお迎えに来て下さっていました。

こちら、日本との時差は13時間あります。

あすから早速、15日のデモンストレーションと16日のワークショップ(深山の景・野辺の景を希望されています)の花材調達のために、明日から野山や知人宅の広大なお庭などへ足を運びます。

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Bruce Wilson先生

 
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乗継ぎのChicago O’Hare International Airport

 
 
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Washington Dulles International Airport

 

10月9日、嵯峨御流 華道親和司所創立65周年 研究発表会を、拝見しました。

天満橋 京阪シティモール8階のレストランフロアにおいて開催された花会に伺いました。司所長 槇 信甫先生、相談役の先生方、役員の皆様にご案内頂き、会場を拝見しました。会員の皆様が一作一作、ご自分で考えながらいけられたとのこと。あえて光を落としたダークなレストランフロアと自然光の明暗のコントラストが楽しい演出になっていて、素敵な会場構成でした。

私の撮ったスナップ写真ですが、花会の一部をご紹介します。

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