いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

6歳のいけばな少年

2016 10月29日。東寺で行われた「京都花いけバトル決勝@東寺」を拝見。6歳の少年がExhibitionの部に出演しました。5分間でいけあげるルールに従い、対抗の上野雄次さんとのバトル。小さな体に、集中力をみなぎらせて挑む姿は観客を虜にしました。

 

少年の名前は神戸 眸君。1歳頃からお花に興味を持ち自分でいけ始め、やがて西村良子さんが代表をつとめられている、自宅近所のまちづくり団体「高瀬川会議」の主催による「京都木屋町花いけ部」に第一回目から参加して木屋町の川に花をいけて街を美しくする活動にも参加しているそうです。

眸君のひいおばあさまのご縁で私の元で嵯峨御流に入門されたのが、つい先月の事。すでに花をいける事に対する姿勢は年齢を感じさせず、自分の主張もはっきり持ってお稽古にのぞんでいます。なにより、このバトルに特別出演が決まったときからの自主トレがすごい!ご自宅で、小学校の空き地で、橋の欄干、またバトルの会場となる東寺へランドセルを背負ったまま放課後駆けつけて、と本当に真面目に真剣に自主トレに励んでいる様子にも感動しました。

花をいける目的や道は人様々です、人々に命の大切さと平和への願いを伝える、未来の華道家を目指してほしいと思いました。

写真は、すべて神戸君のご両親が撮影されたものを、お借りしました。

 

花いけバトルのホームページから、引用します。

http://hanaikebattle.com

「観客の眼前で複数のバトラーが花をいける。

同じ制限時間、同じ器、同じ花。

条件は各回異なるものの

基本のルールはとってもシンプル。

観客を魅了させたバトラーの勝ち。 

果てることのない情熱のぶつかり合い

「花いけバトル」。」

 

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東寺。19:45。 バトル開始前。

 
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いける花を石の階段下まで取りに行くことも含めて、制限時間は5分間。背丈の倍ほどもある花材を自分で運ぶ。

 
 
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500名以上もの観客に動じる気配なく、集中して選ぶ。

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走る!

 
 
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観客の審査を、待つ姿。

 
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ご両親がFace Bookにアップされていた 1歳頃のお写真

 
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2歳頃のお写真

 

大覚寺 嵯峨菊展

11月1日から30日まで、大覚寺境内一円にて嵯峨菊展が開催されます。旧嵯峨御所大覚寺には、嵯峨天皇が菊を手折られて殿中の瓶にいけられたところ、その菊に自ずと天地人三才の姿が備わっていた事に感動され、「爾今花を賞ずる者はこれを範とすべし」と仰せになられた事が寺伝として伝わっております。

 嵯峨菊は、嵯峨野の風土が育んだ独特の瀟洒な姿・咲き方をしています。その嵯峨菊を、3本寄せ植えにして、一鉢の中に花を3輪、5輪、7輪と咲かせ、葉には春夏秋冬の四季を表す仕立て方にして、大宮人の御渡りになる際の目線から見て丁度見頃の高さ約2mに揃える、という超絶技の仕立て方になっています。寺内の御殿や渡り廊下などの背景に溶けこむ、約700鉢の門外不出の嵯峨菊は、ここでしか出会えない風景です。

 写真は、昨年のものです。大覚寺ホームページからお借りしました。

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10月26日、27日に、平成29年御題花の発表会が行われました。

嵯峨御流では、毎年天皇様がお催しになる新年歌会始の御題に因んだ御題花と御題花器を創作しております。来年の御題は「野」です。

代々、嵯峨御流の華務長が創作花器と花を考案して、発表することになっています。昨日26日は司所長と名誉職の先生方を対象に、本日27日は教授・派遣講師の先生方対象に御題花と花器を、発表致しました。先生方には、12月から全国109司所をはじめとして広く御題花を講習して頂き、御題の意義を広めると共に、お花を通じて皆共に新年を寿ぐことを、目的としております。

私は、今回のために作った器を用いて「嵯峨野」「丁酉」「めでたさを重ねる」「豊明(とよのあかり)」「想い花景色いけ Field Scene」「一陽来復」の6作品のバリエーションを発表させていただきました。

この花器を手にされた皆様の、創作と工夫で、様々な表現を試みて頂ければ嬉しく存じます。

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大覚寺の名宝展

刀剣「膝丸」吸い付くような刃と、沢山のお不動様にお出会いできます。

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10月20日~25日、「第50回いけばな大阪展~おおきに50年~」が、開催されました。

心斎橋大丸北館14階にて開催された、いけばな嵯峨御流の後期作品をご紹介します。花席28番。

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23日~25日後期出瓶者

 

10月22日14時から、龍村平蔵社長様とのトークショーが行われました

トークショーでのデモンストレーションでいけた文人華は、四代平蔵社長様の襲名十周年を祝う花として「鳳瑞平安」を選びました。雅題の意味は、偉大なる人物の徳を讃え、その御代の永からんことを祈るというものです。吉祥の瑞兆である鳳凰は桐の木に棲み、竹の実を食し、醴泉の水を飲むと言われることから、桐と金明竹を配します。黄色の薔薇は、黄色で君子の徳を、薔薇に長春の意を込めて、弥栄を寿ぐ花としました。

もう一作はこの度の「龍村織物×嵯峨御流」コラボレーションのご縁に感謝する花として嵯峨菊をいけました。1200年前の平安時代、嵯峨の地を愛された嵯峨天皇が離宮を建てられ、その庭の池に咲く菊花を手折り宮殿に生けられたところ、菊の花には自ずと天地人の三才が備わっていた。このことに感動された嵯峨天皇が、後世花をいくる者はこれを範とすべし、と仰った事が嵯峨御流の始まりです。以来、門跡寺院となって現在もこの地にある大覚寺の中に、命の大切さと世界平和を願う嵯峨天皇の御心を継承する華道として伝わっています。

嵯峨菊は、嵯峨天皇が愛された野菊に改良を重ねたものと言われ、嵯峨の湿潤な気候の元でのみ美しく整うとされています。咲く時期が普通の菊より遅く、嵯峨野が紅葉に彩られる11月頃咲き出します。特に、大覚寺には、独特の雅な仕立て方を以て大覚寺門外不出の菊とされる寄植えの姿が伝承されており、毎年11月の1日から30日まで寺内に約800鉢の嵯峨菊が旧嵯峨御所大覚寺の堂宇を彩る風景は、王朝も雅そのものの艶やかさです。

私のデモンストレーションでは、京都から総司所の職員さんが運んできて下さった嵯峨菊に、もう直ぐ色づく嵯峨野の秋を想い入れて、ドウダンツツジと寒菊を添えています。

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日本橋高島屋での龍村織物×嵯峨御流 帯といけばなのコラボレーション

10月19日から24日まで、日本橋高島屋8階催場で開催されるコラボレーションは、9月1日のザ・リッツカールトン京都をはじまりとして、高島屋様ではこの度が4箇所目で、最終回となります。嵯峨御流関東地区連絡協議会の先生方が関灘知甫副華務長ご指導のもと、艶やかに会場を飾ってくださいました。

龍村平蔵社長様は、嵯峨御流の作品には、背景に風景を感じますね、と言ってくださったと伺い、大変嬉しく思いました。

これまで、京都、大阪、横浜、東京日本橋、と四箇所の高島屋様でのコラボレーション開催は、帯そのものの素晴らしさに加えて、紋様の背景にある歴史や品格を間近に感じさせていただける貴重な経験でした。直接いけこみに関わって下さった、嵯峨御流 京都・阪南和歌山・関東の各連絡協議会の先生方も、有難うございました。

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五管筒 富士

 
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美男葛とアケビの実、ほか

 
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尾形光琳の御所車紋様の帯

 
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炭留

 
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文人華「幽谷佳人」。 石に気品高い芳香を放つ蘭を配する。この雅題には、吉祥の気配が漂うという寓意が込められている

 
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十二律管に、松と胡蝶蘭

 
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飾り釣瓶。模様は嵯峨蒔絵

 
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蟹の花留

 

10月22日、嵯峨御流埼玉司所創立60周年記念華展を拝見しました。

川越市のウェスタ川越で開催された、埼玉司所創立60周年記念華展に伺いました。開会式で埼玉司所長小川秀水先生ご挨拶の後、ご来賓の川越市長川合義明様、川越市華道連盟会長様、華道総司所副理事長草津栄晋様が祝辞を述べられ、私もお喜びの心を込めて一言ご挨拶をさせていただきました。

続いて晴れやかにテープカットが行われて開会となりました。

今年3月にオープンしたばかりの真新しい会場の雰囲気も清々しく、60年の新たな門出にふさわしい、力作揃いの花展でした。

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10月21日、石田流芸術展を拝見いたしました。

松坂屋名古屋店南館8階で開催された、石田流芸術展、テーマは源氏物語絵巻でした。家元石田秀翠先生のプロデュースによる、テーマを掘り下げた、凝った会場と作品、また現代的な作品も拝見させていただきました。

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10月16日。Sheraton Reston Hotelでのワークショップ

今回のワークショップは、 I.I.のほうから、ぜひ景色いけを、ということで深山と野辺をすることが決まっていました。花器や花留め(大半の方が剣山)、岩などは、参加者が各自持ってこられました。

9:30~12:00   深山の景38名

13:00~15:30   野辺の景30名

 

ところでデモやワークショップの準備等は、I.I.幹部の方の多大なる助けに加えて、Bruce先生の大学の学生さん3人が力仕事など助けてくださり、心強い思いでした。22才の神田さん、19才のFredelicさん、21才のAllexさんです。 3人とも、セントメリーズカレッジで、Bruce先生に師事しいけばなを学ばれている方です。 日本からは、島 満甫先生が助手をしてくださいました。 (Bruce先生は、毎年来日して、大覚寺に参籠し嵯峨御流のお稽古をされています。大覚寺に近い、吹田晴美甫先生、島 満甫先生、私方の自宅でのお稽古のご縁で、今回のデモ&ワークに島満甫先生が同行して下さいました。)

最後に皆様から、楽しかった、景色いけに大変興味を持ちました、とのお声を聞き、嬉しく思いました。 Friendship through flowers 言葉を超えて、花は人の心を結ぶという事を強く実感したワークショップでした。

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通訳をして下さった、セントメリーズカレッジ大学生、神田さん。

 
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