11月24日 。大覚寺は嵯峨菊に彩られています。
嵯峨菊は、このお寺の門外不出と言われる菊。仕立て方も、咲き方も、すべてが独特です。11月末まで寺内に飾られています。
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Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。
嵯峨菊は、このお寺の門外不出と言われる菊。仕立て方も、咲き方も、すべてが独特です。11月末まで寺内に飾られています。
大覚寺は、紅葉の盛り」。28日頃までが見頃でしょうか。
紅葉といえばカエデ類の別名になっていますが、もともとは「紅葉ち・黄葉ち」いずれも「もみち」と読み、草木が赤や黄色に葉を染める事を「もみちする」と、形容したのですね。やがて平安時代に変化して「もみぢ」「もみじ」と変わっていきました。
もみちする葉のとりどりのいろは、いくら眺めても飽きるということがありません。
秋の嵯峨野へ、お運びくださいませ。夜は真紅の水鏡が、庭のお池に広がります。
ホテルグランヴィア京都 古今の間において開催された 「花の宴Ⅲ」。今年のテーマは「舞」です。
黒沢全紹大覚寺門跡猊下ご臨席のもと、特別ゲストとして株式会社龍村美術織物取締役営業本部長 武村恭志様をお迎えして、約130名の嵯峨御流権法印以上の称号者の皆様や全国司所長様とともに、特別な親睦会をもたせていただきました。
祝い花として、まず、舞台には華道理事による紅白一対の大きな荘厳華のライブです。この度の宴「舞」にちなみ、能の演目の中で おめでたい時に舞われる「石橋(しゃっきょう)」をテーマにプロデュースさせていただいたものです。お囃子の笛・大鼓・小鼓・太鼓が奏でる、深山にしたたり落ちる露や、力強く豪壮な響きの中で、舞台中央に飾られた牡丹柄丸帯の左右に、紅白の作品が二作同時に豪快にいけあげていく様をお楽しみ頂けた事と思います。
「石橋」のあらすじは、日本から平安時代に中国に渡った僧が、文殊菩薩の霊跡で知られる清涼山(しょうりょうせん)を訪れると、そこには細くて長い、まるで虹のような形をした橋が架かっており、その向こうは文殊菩薩の浄土だと、橋の手前で童子の姿をした仙人に告げられる。対岸の極楽浄土へ渡ろうとするが人間がたやすく渡れる橋では無いと呼び止められて、言われるままに橋の手前で待つ。能で特に有名な場面は、この石橋を象徴する台と赤白の牡丹が中央に置かれ、僧の前に文殊菩薩のお使いである獅子が囃子にのって現れ、勇壮で豪快な獅子舞を披露して舞台は極楽浄土と化す、というものでお正月などにふさわしい曲とされています。
石橋の舞台に置くべき牡丹の花を、この度は龍村織物様の大牡丹印金の豪華な丸帯をお借りし、舞台中央に飾らせていただきましたので、いけあがった作品の前で、龍村織物の武村様とのトークショーで、帯のお話などを伺うことができました。
宴の始まりに際し、黒沢全紹門跡猊下のお言葉。続いて草津栄晋総務部長のごあいさつは、御療養中の江頭弘勝宗務総長からのメッセージを代読されました。そして、乾杯の発声で賑やかに開始となりました。司会進行は青野直甫華道企画推進室副室長。
各テーブルで、皆様をおもてなししてくださいましたのは、内局の草津栄晋総務部長、竹原善生教務部長、田村快光財務部長、岡田脩克副総裁、垣花悦甫副華務長、関灘知甫副華務長、服部孝月華道企画推進室長、西村強甫学院長、田中喜久甫研究所長、本田博甫理事、光岡道寛理事、村上巨樹理事、冨岡紀甫副学院長、黒田祥甫副学院長、下村久仁甫副研究所長、谷田緑甫副研究所長です。
宴がたけなわとなった頃、舞台で花街の芸舞妓さん4人の華やかな舞が披露されました。舞が終わってからは、各テーブルで、芸妓さんや舞妓さんを囲んでの写真撮影で賑わっていました。グランヴィアホテルのお食事を楽しみながら、福引や、月刊嵯峨の懐かしい写真をプロジェクターで映して昔話に花を咲かせたりして、和やかで楽しい宴は、時の過ぎるのを忘れるほどで、最後に田村快光財務部長様のご挨拶にてお開きとなりました。
ホワイエでは、華道総司所販売課の方が新製品の「月の華」のお菓子やオリジナル商品のご紹介と販売があり、月の華は人気で、間も無く完売でした。
会が賑やかで楽しいものになりましたことは、ご参加くださった方が主催者の心を汲み取り、自ら進んで一座建立の気持ちを持って臨んでくださったからだと思います。また主催に関わる人が、参加者に喜んで頂きたいという想いで皆心を一つに通わせあった賜物。
どのような会においても、お互いの心を汲み取る気持ちで臨むことの大切さを痛感した、実り多い宴となりました。皆様有難うございました。
第50回の心象書展は、西野象山先生傘寿、西野玉龍先生喜寿 のお慶びを重ねられたお祝いの会でした。後を継がれる西野桃笠先生にもおめにかかりご挨拶させていただきました。桃笠先生は嵯峨御流いけばなを但馬司所でなさっておられます。
私のスナップ写真ですが、お三方の先生方の作品を撮らせていただきましたので、ご紹介致します。
京都市中京区にある六角堂をおまいりし、池坊展を拝見しました。また、池坊会館の中にあるいけばな資料館を久しぶりに訪れ 見学させていただきました。
11月12日。アメリカから、初めて日本に来られたイービーさんが、築110年の我が家に遊びに来てくださいましたので、いけばなをライブでご覧いただき、そのあとイービーさんも体験されました。わずかな時間でしたが、花は初対面の私達の心を結んでくれました。
<Friendship through flowers>
これはIkebana Internationalのモットーにもなっていて、心に響く言葉です.
大覚寺の拝観口から寺内にお入りになりますと、すぐの廊下の突き当たりに、孔雀の間が見えます。以前は賓客の間として使われていたお部屋ですが、ここに金剛華菩薩(こんごうけぼさつ)様が祀られ、嵯峨御流のお花のご紹介もさせていただけるお部屋になりました。ぜひ、ご来寺の折にはこの小さなお部屋の前にもお立ち寄りくださいませ。
今は、金剛華菩薩様の前に、エニシダを200本使った生花と、分体株分けの作品が飾られています。これは、11月12日の遊花一日秋期大学で、講師の光岡先生がいけられたものです。
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_6535/
嵯峨御流では、華道総司所会員限定企画として、年に3回「遊花一日 」を開催しています。講師が選定したテーマの元、全国から応募された総司所会員が、大覚寺内 華道芸術学院の教室で、花三昧の充実した時を過ごす企画です。
今回のテーマは「条物をさばく」。内容は、デモンストレーション「エニシダの線状美を楽しむ」。実技はエニシダの生花三才格でした。開講式では、黒沢全紹門跡猊下のお言葉の後、私もご挨拶をさせて頂きました。本日の講師、華道理事 光岡道寛先生は、難しく、枝をはらうのに手間のかかるエニシダの生花を、わかりやすく、手際よく説明されながら、指導されました。
午後の実技は、光岡道寛理事、青野直甫華道企画推進室副室長、冨岡紀甫華道芸術学院副学院長、黒田祥甫華道芸術学院副学院長の4名の先生方のご指導で、受講生の方は、熱く数いけの三才格に挑まれました。
華道芸術学院玄関には、光岡先生が助手の先生方といけられた200本の見事な数いけの作品、分体株分け、五管筒が展示され、それらの作品の前では受講生の歓声と溜息が聞こえていました。
エニシダを生花にいける事は、難易度の高いものですが、こうして講師の先生の特別講義を聴き、多くの皆様と一緒にいけると、頑張れるものですね。
次回の「遊花一日」冬期大学は平成29年2月18日。テーマは「富士をいける」、実技は生花 富士。
西村強甫華道芸術学院長が担当されます。”富士”に遊ぶ一日にお越し下さい。
嵯峨、大覚寺の近辺は日ごとに紅葉の色が鮮やかになってきました。秋晴れの今日、11月11日の嵯峨野の風景をご紹介します。また、本日より大覚寺のライトアップが始まります。
大覚寺夜間拝観日時:平成28年11月11日(金)~12月4日(日)
※11月17日,18日,19日の3日間は、夜間特別拝観を中止致します
午後5時30分~午後8時30分 午後8時受付終了
※昼夜入替制。
この楓は、嵯峨っ子秘蔵の一本。寺院のお庭以外では、嵯峨で一番美しい紅葉を見せてくれます。場所は、清涼寺を、南へ下がったところ。嵯峨祭の御旅所の楓です。
華道フェスティバル記念講演会・シンポジウムが、11月5日(土)13:30から16:00、愛知芸術文化センター12階アートスペースAで開催されました。
第1部基調講演は、京都の細見美術館館長 細見良行氏。テーマは「琳派400年―花遊びの系譜」。
第2部シンポジウム、テーマは「いけばなの未来」。パネリストは、細見良行氏、美術評論家 三頭谷鷹史氏、未生流中山文甫会副家元 中山高昌先生、石田流家元 石田秀翠先生、私、の5名。司会進行は、華道フェスティバル シンポジウム委員長 庄司信洲先生でした。
基調講演「琳派400年-花遊びの系譜」では、日本の美意識を象徴する琳派について大変興味深いお話を伺いました。
シンポジウムでは、まず司会の庄司先生から、国民文化祭あいちでは、「愛古知新」すなわち、伝統を愛し新しきを知り文化は動くというのがテーマになっている、日本の古典文学には世界に比べて多くの植物が登場するように、日本文化は花なくしては語れないといえる、という言葉で始まりました。
いけばなの表現において、うつろう自然の風姿を表そうとする立花に始まり、儒教などの思想を型とした生花、寓意に遊ぶ文人華、盛花、前衛いけばな、などいけばなの系譜を軸として、いけばなの未来について、様々な意見が交わされました。
細見氏からは、雪月花に代表されるように日本人はうつろうものに心を寄せて来た。また、ジャポニズムが世界に与えた影響は、単に異国趣味で珍しいというだけではなく、西洋の考えを根底から変えてしまうほど大きかった、という話が印象的でした。100年前の日本美術は、西洋の印象派絵画、料理ではヌーベルキュイジーヌ等、あらゆる分野において、その考え方を根底から変えてしまうほどの影響力があったと同様に、いけばなが西洋のフラワーアレンジメントに大きな影響をあたえているのではないか、と話されたのです。
石田先生は、日本文学や哲学 仏教などにテーマを求めらて華展を度々開催されておられ、雪月花など、常に変化し移ろいゆくものに日本人の人生観が深く関わっていると話されました。
また、三頭谷先生は、近世から現代、そして未来へのいけばなの担い手は、女性であるとお話になりました。
次に、私の発言を記させていただきます。
「未来というテーマは、大事な問題です。現代は混沌とした時代ではありますが、私達がなくしてはならないもの、継承していかなくてはならないものがあると思います。いま、人類共通の問題は環境問題だと思います。丁度、今日(11月5日)は国連で定められた「世界津波の日」だそうです。また、昨日は「パリ協定」が発効されました。環境問題は深刻になっています。100年後、この美しい自然が残っているのかな?これは深刻な問題だと思います。私達は、風景そのものからインスピレーションを受けて制作し、野に出て花に触れ、生身のものでしか伝えられないものを芸術として表現している立場です。100年後の子供達が今と同じような気持ちで花を生けられる、そういう社会や風土を守っていかなくてはいけないのではないでしょうか。これは、一つの、華道家としての務めなのではないかなと思います。風景の元になっているのは、命の原点でもある水の流れ、山から海までの流れの、どこか一箇所が滞っても環境破壊につながるわけです。ですから、命の大切さや、すべてつながって循環して存在しているというような教えとともに、美しい風景を守っていかなければいけない、と思う次第です。いけばなで、身近などこにでもある自然の風景を美しくいけることで、それを見た人は、それに共感して、あぁこんな風景は守りたいな、という気持ちが起こるのではないでしょうか。自然を愛で慈しむ気持ちを起こしてもらう、という事は華道家としての務めなのではないかなと、このように思います。」
また、日本いけばなの今後の目標として発信されている、いけばなの世界遺産への登録、学校教育への参入、について皆様が意見を交換されました。
私の意見は「いけばなを世界遺産にというお話がありました。日本の宝である自然の営みからインスピレーションを受けて美しく表現し、人々に感動と喜びを分かち合う芸術であり、しかも芸術と社会や生活を結ぶことができる、いけばなの素晴らしさを伝えていくためには、やはり華道家一人一人が、光るものを表現してこそ、いけばなが世界遺産に、というような事に繋がるのではないかと思います。日本いけばな芸術協会のような組織の存在がそれを実現していけるのではないか、流派を超越して、一人一人の華道家の魂とエネルギーが一つの大きな渦となり(気運を高める)場となるのではないかと思います。」
中山先生は、日本の風土がいけばなにつながったと締めくくられました。日本いけばな芸術協会が発行している「こどものいけばな」に掲載されているように、五節句など年中行事に絡めながらいけばながありますから、幼少の頃から教育をして、花に触れるように育って欲しいと思う。そういう意味で、学校教育にいかに入っていくかというところが一番大事だと思うので、皆様も機会があれば教育関係者とお会いするなどして、お花が入れるようにお話をしてお願いして頂ければ大変有り難いと思います。また、今回のいけばな展には1万人以上の来場者があるという事ですが、若い人も来てくれるように考えて欲しいと思います。スマートフォンでFace Bookなども活用して行きたいと思いますと、広い世代へのいけばな文化の発信に言及され、閉幕となりました。
パネラーの皆様からは、大変興味深い、様々なお話を伺う事ができましたが、ここでは限られた一部分のご紹介になりましたことをお許し下さい。