処暑となり、朝夕は少し暑さに翳りが感じられるような気がいたします。
残暑を何とか乗り切って、皆様お健やかでいらしてください。
わたくしは「一日一菓」という素敵なご本に出会えて、とても嬉しくて日めくりカレンダーのように毎朝その日のページを開き眺めています。365日、その日にふさわしい、おもてなしのお菓子と器の取り合わせが紹介されています。取り合わせとは、程よく調和するように合わせるいうことですが、花の取り合わせにおいても、時と場合に応じて、さらに人の心に響く取り合わせができるようになるには修練と常の暮らしのなかで感じとる力を磨いていかなくては!と改めて思わせていただける本でした。
残暑を乗り越えると文化の秋が待っています。
美しいもの、ときめきにたくさん出会いにいきたいと思うこの頃です。
8月20日。大覚寺 宵弘法。夕方から雨模様50パーセントでしたが、法要が営まれると雨が止み大沢池の中に護摩の火がともりました。
私は、今年は遠くから遥拝。
お写真を、大阪から宵弘法に来られた方からいただきましたので、このブログに掲載させていただきました。
かつて母が、お盆になるとこのお軸を床にかけていたので、わたくしも母がしたように倣って掛けている。
書かれている文字は
「南魔毛多羅比棒泥沸」
2019年に婦人画報さんからお着物の取材をお受けした際も、8月の今頃でしたので、この軸をかけて、大覚寺「望雲亭」にて夏の着物を撮っていただいたこと、懐かしく思い出します。
https://www.fujingaho.jp/uts-kimono/coordinate/a64200/kimonotsujii-20190816/
和紙作家、堀木エリ子さんの講演と紙漉き体験、そしていけばなデモンストレーションと蓮の話、と盛り沢山のプログラムで行われたSummer College☆
事前申し込みの100名の定員は満席で、前日に開催された生花コンペの作品展示なども見学でき、受講生の皆様は充実した1日を過ごされたようでした。
東京など遠方から参加された方もおられ、「紙漉き体験も楽しくて、デモストレーション、講義も大変勉強になりました!蓮づくしのお弁当も美味しかったです。」と喜びのお声を聞き嬉しく思います。
また、このような機会を積極的に受けてくださったからこそ、モチベーションがさらにあがり「9月からの研究会もがんばります!」とのお声も聞けました。
写真は7月31日の大覚寺境内と、華道芸術学院1階玄関の、和紙の原料である三椏のオブジェの前にいけられた河骨の「奉書いけ」(嵯峨御流奥伝)です。伝書には、「三宝の上に奉書紙を角折りにして中央に水の字を書き挿ける。花留は七宝その他の留具を用い、碁石留め又は小石留めにする。」
とあります。奉書いけについては、また今後総司所企画講座で取り上げると思いますので、ぜひご参加下さい。
いけばなデモンストレーションは、和紙の原料となる植物を用いたいけばなや、豊かな水の連続した流れにより生まれる日本の風景などをいけあらわし、日本の風土があってこそ生まれた日本の伝統文化を未来に繋いでいく嵯峨御流の取り組み「シン日本をいける」にも話が及びました。舞台上の「守、破、離」のバックは、書家の瀬原加奈子先生の作品です。
(月刊『嵯峨』2019年5月号の対談に掲載されています)
アメリカの、嵯峨御流北米司所のSusan Kasaさんから近況報告のお便りをいただきました。大変ご活躍で、様々な花展に出品されているとのこと。
写真は、6月にWashingtonD.C.の国立樹木園に於いて開催された、いけばなインターナショナルWashington D.C.支部花展に出品された、Susanさんの銀梅花(myrtle)五行格の作品です。
ギンバイカ英語でマートル(Myrtle)。葉に芳香があり、花が結婚式などの飾りによく使われるので「祝いの木」ともいわれます。とくにイギリスでは、1840年のヴィクトリア女王の結婚式で、ブーケにギンバイカの小枝が使われ
て以来、イギリス王室のロイヤルウェディングでは、花嫁はこの伝統を引き継いでいるそうです。
Susanさんも、コロナ禍になるまでは、毎年来日して大覚寺に参籠されて嵯峨御流の研鑽を積まれていましたが、この数年は外国からの方はどなたも来日できなくなっていましたので、
久々に頂いたお便りは嬉しく、日本の我々にとっても大変励みとなることですので、皆様にもご紹介させていただいた次第です。
お手紙の中には、嵯峨御流のYouTube「夏を感じるおすすめの祭花 檜扇」で、檜扇を祇園祭に飾る意味や、檜扇を祈り花にいけるいけ方を拝見しています。と書いてくださっていました。嬉しい事です。
檜扇は古より悪霊退散に用いられたことから、怨霊の怒りを鎮めるために始められた祇園祭には特に“祭花”として檜扇が欠かせないものとされてきましたので、その願いを込めた、一瓶の檜扇です。
15日から17日までの3日間、「祇園祭にいける」に挿花してくださった先生が、毎朝、手入れをしてくださり、檜扇の作品を写真に撮っておいてくださいました。檜扇の花は一日花で、日中に咲いて夕方には閉じてしまいますが、次々と咲き続けます。その様子を、比べてご覧ください。17日の前祭(さきまつり)山鉾巡行の日は、最も沢山の花が開きました!
7月15日
7月16日
7月17日
檜扇の出生についてはこちらもご覧ください。
https://lovegreen.net/languageofflower/p253568/
2022年07月15日(金)~17日(日)祇園石段下から四条烏丸の各店舗で開催されるストリート花展に京都いけばな協会が強力しています。
いけばな嵯峨御流は「㉔袋物・小物 俵屋」(四条木屋町南側)に挿花展示いたします。
営業時間10:00~18:00
祭花といわれる檜扇をいけています。ぜひお立ち寄りりくださいませ。嵯峨御流ホームページより、こちらも併せてご覧下さい。地図なども掲載されています。
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_24341/
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_24326/
日本書芸院の広報誌にインタビュー記事を掲載していただきました。
日本書芸院の広報誌「書くよろこび」15号(4月発行)にインタビュー記事を掲載していただきました。
日本書芸院広報誌「書く喜び喜び」第15号 (2022年)4月発行
嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部からの活動報告
嵯峨御流ベルギー・ルクセンブルク支部からお便りをいただきました。2018年に創立30周年を迎えて、記念式典及び華展開催された事をこのブログにも以前書かせていただきました。
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_12849/
以降、二年余り前に、降って湧いたようなコロナ禍で日本同様に研究会を開く事もままならなかったですが、ようやく以前の生活環境に戻ったブリュッセルの今日この頃だと言うお便りとともに、支部長Astrid Maton(アストリッド マトン)先生は、華道の活動を徐々に再開しておられ、先日ルクセンブルグの近代美術館から招かれて、お花を何点か活けて講演も行われたようです。その折に取材を受けられたルクセンブルグ・タイムズの、記事を送っていただきましたので、ご紹介させていただきます。
ルクセンブルクは、ベルギーの隣国であり、国際都市で、個人所得では欧州一の高所得国だとの事。
支部長のご活躍により、ルクセンブルクに於いても、嵯峨御流のいけばなが大切にしている自然を尊び慈しむ心が共鳴を呼び、いけばなを通して人々に新たな感動と喜びの輪が広がって行く事を大いに願っております。
(写真は、ルクセンブルクタイムズのインターネット記事から転載しました。)
https://www.luxtimes.lu/en/community-and-lword/flower-arranging-the-japanese-way-62ac43edde135b9236000240
大覚寺で行われた、「弘法大師のお誕生祭」に参列させて頂きました。稚児大師の掛軸が飾られ、花御堂が祀られて、また、伝灯学院生の4名の方の書といけばなが飾られていました。
こうして修行を積まれる伝灯学院生の方々も、嵯峨御流派遣講師のご指導のもといけばなを学ばれています。