いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

「遊花一日」夏期大学講座を開催

7月26日、「遊花一日」夏期大学を華道芸術学院で開催しました。午前は華務長のデモンストレーション。水の表現「守破離」をテーマに、観蓮節に因んで「名古曽」蓮の荘厳華、水の流れをイメージして、蛇籠を使って山、里、水の風景を表現した作品、暖竹の生花などを披露しました。午後は大覚寺境内の竹林の青竹を使って受講生の思いの滝や水を感じさせる風景をいけ上げました。地階ギャラリーでは生花コンペの作品が展示され、また大沢池畔の五社明神前で観蓮節が開催されて蓮の観賞、象鼻杯が振る舞われました。

当日は外気38度を超えるこの夏一番の暑さにもかかわらず、たくさんの受講生は一日を有意義に過ごされました。ご参加いただいた方々、本当に有り難うございました。

 

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嵯峨小学校いけばな体験

7月11日嵯峨小学校6年生90名がいけばなの授業を受けました。

嵯峨小学校では、毎年「総合的な学習」として、6年生3クラス全員が大覚寺で年に2回嵯峨御流の授業を受けています。

授業を担当された嵯峨御流の島満甫先生からのレポートをご紹介します。

「庭湖の景」と「河川の景」を参考作品として飾り、嵯峨小学校の6年生をお迎えしました。授業では、脈々と受け継がれてきた美しい嵯峨の風景を七景に例え、山の湧水から海に至るまでの水の流れは多くの命を育んで、これからも大切に守っていかなければならないものであり、嵯峨御流の「いけばな」をいける事は、四季折々の美しい自然を愛でる事に通じるとお話しました。そして、6年生3クラス全員が1本ずつお花を挿していき、大作の「野辺の景」がいけ上がりました。初めて「いけばな」をいけたという生徒さん、「いけばな」を習っているという生徒さん、それぞれに一人一人どこに挿そうかと考えて、ススキが揺れ草花が咲く小川の岸辺の景色が出来上がりました。

花の咲く季節についてや嵯峨御流の始まりについてなど質問もあり、又授業を終えると「もっと周りの草花に関心を持って大切な自然を守っていこうと思う」、「きれいな花ばかりでなく、石や水や下草もとても大切な景色なのだと知った」など、しっかりとした感想を述べてくれました。皆さんに嵯峨御流の心をよく理解してもらえて、大変に嬉しい一日でした。

子供さんから、授業の感想文の発表がありました。

・今日使った花の咲く時期はいつなんだろう。

・いけばなではきれいな花だけでなく草や石などもいけることを初めて知った。

・景色いけを学んだことで、通学途中の草花に興味を持ちたいと思った。

・自分たちの周りの自然の景色を守っていこうと思った。嵯峨の子供たちは、美しい自然という宝物が日本の伝統文化の元になっていることを学び、美しい風景をいけるいけばな「景色いけ」を通して、環境を守っていきたい、と感じてくれたようです。

 

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アメリカからのお客様

アメリカからのお客様

 

嵯峨御流 アメリカ Washington D.C.支部長のBruce Wilsonさんが来日され7月8日 まで大覚寺に参篭されています。

今年で8年目、毎年半月間ほど大覚寺に滞在されて、いけばなの集中稽古をされます。現在、Maryland州にあるSt.Mary’s Collageの教授で、大学の授業に華道を取り入れていらっしゃいます。写真の赤いチェックのシャツの方がBruceさんです。

いけばなインターナショナル ワシントンD.C.支部で嵯峨御流を指導されているほか、Bruceさんのご活躍の一端は、ナショナル ジオグラフィーでの講演などはインターネットでご覧ください。

 

http://events.nationalgeographic.com/events/special-events/2012/04/22/bushido-and-kado/

 

ところで、ちょうど同じ時期に、アメリカからリカルド カラスコさん一行4名が嵯峨御流を訪問され、6月26日に荘厳華のワークショップを体験されました。リカルドさんは既に40年来のいけばなキャリアがおありで、晩美生風流(ばんみしょうふうりゅう)の二代目家元です。先代家元の息子さんが、大覚寺伝灯学院で修行をされたご縁が今回の初来日に大覚寺を訪れる縁を結んだようです。自然の流木に花を添えるとき、「ここに心がある」と説きながら指導された先代家元の心に感動されていけばなをはじめられたとの事。嵯峨御流でいけばなを体験したいとの熱心なご希望で実現した今回のワークショップ&大覚寺拝観では、嵯峨御流の花の精神性に大変感激なさっておられました。

写真の右から2番目がリカルドさん、他の男性はお弟子さんで全員心理療法のドクターでもいらっしゃり、治療の一環としてもいけばなはとても役立っているそうです。

 

いけばなは、流派、言語、国を超えて 平和と命の大切さを伝えていけるもの。あらためてそう感じたワークショップでした。

 

7月の花 月刊「嵯峨」7月号

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夏到来! 今月の作品は、涼感を誘う水草を、池をゆったりと泳ぐ双魚を描いたお皿にいけています。

 

写真の睡蓮は熱帯性のもので、花茎が水面から立ち上がる性質があります。 エジプトでは花が開くときの花弁の様子が、太陽の光線に似ると考えて、 睡蓮を太陽のシンボルとして尊敬していたということが伝わっています。

エキノドルスは南アメリカ原産 オモダカ科の抽水植物、 水槽の中に沈めて鑑賞できる植物で花はオモダカに似ていてとても愛らしいものです。

 

さて、睡蓮は花暦として洋の東西を問わず夏を象徴する植物ですね。

夏の七草 「涼しさは よし い おもだか ひつじぐさ はちす かわほね さぎそうの花」 葦(ヨシ)藺(イ)沢瀉(オモダカ)未草(ヒツジグサ)蓮(ハチス) 河骨(コウホネ)鷺草(サギソウ) 昭和の初め頃の園芸研究家、勧修寺経雄の和歌より。

この風流な歌の中に詠まれているのはすべて水草(ミズクサ)、未草は日本原産の睡蓮。

京都地区連絡協議会主催のいけばな公開講座

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嵯峨御流京都地区連絡協議会主催のいけばな公開講座「華やかな平安文化の薫りをいける」が大覚寺内華道芸術学院で開催され、辻井ミカと西村強甫理事が担当致しました。

 

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13時に田口小枝甫運営委員長のご挨拶で開講。30分間の講演に続いて、デモンストレーションは生花「谷間」、景色いけ「沼沢の景」、花衣桁、十二律管、懸花「端午の薬玉」「重陽の茱萸嚢」。京都地区8司所から、約350名ものご参加があり、盛会でした。

2014年度事業のお知らせ

6月、新緑にキラリと光る水滴がひときわ鮮やかな季節となりました。さて、嵯峨御流華道総司所では、4月1日から華道執行部の役員改選により、新しいメンバーで華道企画と運営を務めて参りますので、皆様のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。

 

今年度の事業が既に始まっておりますのでご紹介いたします。

 

今年から3年間の間に、嵯峨御流全国17地区において、各地区主催の「いけばな公開講座『華やかな平安文化の薫をいける』」が開催されます。これは、嵯峨御流いけばなの魅力を、各地区の皆様方にさらにアピールし、嵯峨のファンを増やしていただけるよう、華務長と理事が二人で出向いて講演及びデモンストレーションを見ていただく企画です。

第一回目は6月29日に京都地区連絡協議会主催、大覚寺において開催されます。旧嵯峨御所ならではの雅やかなテーマを選ばれていますので、また報告記事を書かせていただきます、お楽しみに。

 

次に、総司所会員限定企画として、年度内に3回、総司所で開催される「遊花一日」につきましてお話しします。

7月26日(土)の夏期大学講座は私がデモンストレーションを担当させていただきます。

テーマは「水の表現 守・破・離」。講義内容は、命の根元である水の大切さについて、また、様々な分野から水の表現を引用して解説します。

実技は飾盛体で、水をテーマに遊び心で挑戦していただきます。

また、この日に合わせて、大沢池で「観蓮節」が開催されます、夏期大学講座受講の方は、朝9時30分から開講時間前の10時15分まで無料で、消夏飲酒法「象鼻杯」を体験していただけますので、受講される皆様は、早めに大沢池にお越しくださいませ。京都嵯峨芸術大学の学生さんと、日本バーメンズ協会のバーテンダーの皆様がアテンドして下さる贅沢な象鼻杯をお楽しみください。

 

次に、「ゼミナール講座」や、花材を限定した特別研究会「葉蘭専科」「燕子花専科」「水仙専科」をそれぞれ開講します。

早速「ゼミナール講座 荘厳華」、「ゼミナール講座 生花」、「燕子花専科」の受付が始まりました。開講日は、荘厳華6月23日、生花6月24日、燕子花専科は7月16日、17日です。お申し込みはお電話で。まだ間に合いますので、お申込みをお待ちしています。

 

お申し込み・お問い合わせは、下記へどうぞ。

華道芸術学院

電話:075-871-0181

 

いろいろな講座に参加して、学ばれたことをお友達や生徒さんに伝えていただき、お花を通じて喜びの輪を広げていただければ嬉しいです。

月刊「嵯峨」6月号作品解説

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「把手共行」今月の門跡様のお言葉です。

手をとり共に行くと解釈させていただいて、いけばなの道を皆共に手を把りあいながら、絆を大切に進んで参りましょう。私たちは師や友と出会い、様々な国の人々とも出会いながら生きていきます。そのようなとき、いけばなは、きっと親愛の情を示すきっかけとなるはずです。目と目を合わせ、心を通わせて、まず自分から誠意を示すことで他人と親しくなれると思います。人生は人との関わりの中で豊かさを増していくものですね。

 

立派な銀葉の枝が入手できました。美しい木肌には、締まった葉がたくさん付いていました。「手」の漢字を思い浮かべながら、命はつながって存在するという力強いイメージを体用相応の姿に託した作品です。花器とアジサイの藍色と、銀葉の青葉に6月の季節を想い入れて。

嵯峨祭り

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愛宕神社の愛宕神・野宮神社の野々宮神をお祭りする嵯峨祭りは450年以上の歴史があり、1537年の文献に記述が見られる古いお祭りです。

祭神が二社、神輿も二基ある事や、お祭りの主催が江戸時代まで大覚寺・清涼寺などのお寺だということが他と違う特徴です。二基のお神輿は清涼寺の前を通り11:50に大覚寺に到着し、そこで儀式が行われます。

 

大覚寺勅使門を剣鉾がくぐり抜け、お神輿は勅使門の前で大覚寺僧侶の読経と神社の祝詞の両方、神仏習合の形で清め払いをお受けになります。その後は、五基の剣鉾(きく・ぼたん・おもだか・りゅう・きりん)が「りん」を鳴らし、お神輿が通るために邪気を払いながら一日かけて嵯峨一帯を練り歩くのです。

毎年第四日曜日です。

 

おそろいの法被には、大覚寺の寺章である、嵯峨の山山を上下に重ねた紋がつけられています。

私の家も鉾の町内です、お祭りが近づくと、毎夜「り~ん り~ん」と10mもの棹の先の「りん」を鳴らすお稽古の音がして、祭りの近づくのを感じるのです。

東京司所 85周年記念華展

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「風薫る」のテーマのもと、5月18日から19日まで、高野山東京別院にて開催され、テープカット並びに式典にに参列させていただきました。

昭和4年に創立され、歴代の司所長の年回忌を併せて行われました。

式典では、献華式に続いて、岡田脩克副総裁による荘厳華の迫力あるデモンストレーションを拝見し、華展会場では、格調高くいけあげられた伝承花や、別室の催事場では世界文化遺産富士山をイメージしたインスタレーション的作品などすばらしい作品が並び、盛会でした。

東京司所のますますのご発展をお祈り申し上げます。

 

御室流 華展

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爽やかなお天気の中、総本山仁和寺において開催された御室流いけばな展に、黒田知正部長様とご一緒に伺いました。立部祐道管長猊下にご挨拶申し上げ、先日当流華務長祝賀会にお運びくださいました瀬川大秀宗務総長様にも御礼申し上げることができました。

 

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華展は、お手入れの行き届いた美しい境内に、すばらしい作品が一層映えて美しい絵巻のようでした。

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