小原流の華展を拝見しました
2月26日、東京日本橋高島屋で開催されている小原流展を拝見しました。
迫力ある作品、素晴らしい花材。堪能させて頂きました。
写真は、小原宏貴家元の作品です。
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Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。
2月26日、東京日本橋高島屋で開催されている小原流展を拝見しました。
迫力ある作品、素晴らしい花材。堪能させて頂きました。
写真は、小原宏貴家元の作品です。
2月16日、京都大丸百貨店で開催された華展の後期展を見に行きました。
京都若手華道家今回のテーマは「日本美」
パンフレットには、「いけばなは古来よりその時代の風潮・生活様式に影響を受け創造され受け継がれてまいりました。現在その様式は多岐にわたり季節や場所により異なる姿・かたちを楽しむことができます。今回の『京都新世代いけばな展2015』はいけばなの魅力を若い世代をはじめ、より多くの方にお伝えしたいと願うとともに、琳派400年記念祭が開催されることに併せてテーマを『日本美』といたしました」と書かれていました。
会場は暗く、スポットライトの光が、作品と和紙の設営を照らす凝った会場構成でした。暗い中で私が自分で撮った、嵯峨御流後期の出瓶作品2作を掲載させていただきます。
長谷川明洲先生、石塚絵里奈甫先生の作品です。
2月22日、大阪・あべのハルカス スペース9において開催された華展を拝見してきました。
花道 紫雲華は初代家元筒井紫雲先生によって1935年(昭和10年)、大阪において創流され、現在の2代目家元は筒井邦子先生です。昔から親しくしていただいているので、写真もリラックスした感じで撮って下さいました
龍生派三代目家元、吉村華泉先生が1月18日にご逝去なさいました。
龍生派本部による流葬が2月21日、東京の増上寺で行われ参列致しました。
元日本いけばな芸術協会理事長・現相談役。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
京都市右京区役所総合庁舎5階ホールに於いて、右京区民文化普及会,右京区役所が主催する美術展が開催され、美術展の会場に、京都嵯峨芸術大学の華道授業履修生が会場花を挿花しています。桃や桜、また色とりどりの花で会場は一層華やいだ雰囲気になっていました。美術展は23日まで、休みなく開催されています。
私は、本日審査員の一人として、美術展の審査会に出席し、学生が一生懸命にいけたお花を、一般の方々が見て微笑まれる姿をとても嬉しく思いました。
2月17日(火)14:00~15:30、右京区役所総合庁舎<サンサ右京>5階ホールに於いて行われ、講演を致しました。タイトルは、「華道家から学ぶ、右京の歴史・文化芸術講座」、講演テーマは「いけばなで美しい地球を守る~嵯峨御流景色いけ・七景三勝~」です。
講演の始めに、2007年JR東海の”そうだ 京都 いこう”キャンペーンのキャッチコピーをご紹介しました。
それは、大覚寺大沢池の映像に、次のようなコピーが載せられていたものです。
「美しい景色は人が作り上げるものです。この当たり前のことに千年経った今、ドキリとするのはどうしてだろう。 平安時代の初めに海外の情報を集め、書を読み、話を聞き、練りに練って この空間設計は生まれたのでした」美しい嵯峨野の風景には、長い歴史を通じて連綿と伝えられてきた、人と自然のかかわり合いが現れています。
今回の講演では、嵯峨御流に伝承されている、自然の風景をいけあらわす「景色いけ」を通じて、美しい風景を守り、さらに未来へ継承するにはどうしたらよいか、という観点からお話をさせていただきました。講演中に、実際に「景色いけ」深山の景・河川の景・野辺の景・想い花沼沢の景をいけて、ご覧いただきました。
これらの4作の作品のうち、「深山の景」は区役所1階コンシェルジュカウンター前に23日くらいまで展示してくださっています。
なお、20日から23日まで、同区役所5階ホールでは、「第28回右京区美術展」が開催され、その会場には
京都嵯峨芸術大学の華道履修学生が会場に3作のいけばなを挿花展示します。
この催しは、どなたでもご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りくださいませ。
快晴の日となった、平成27年2月14日(土)、九州地区主催の公開講座は、熊本市・城西苑において開催されました。
会場は熊本城に隣接していて、威風堂々としたお城の姿がすぐそばにあります。
熊本城は、日本さくら名所100選に選ばれている名所、春にも訪れたいと思いました。
九州地区連絡協議会の7司所(久留米司所・北九州司所・福岡司所・熊本司所・長崎公和司所、鹿児島司所、沖縄司所)から熊本へ集まられた皆様は、先輩後輩が仲良くとても和気藹々とした雰囲気でした。
私は、はじめのご挨拶のときに、「今日は皆様と一緒に、嵯峨御流の宝を探しましょう」とお話ししました。続く講演では、<美しい地球を守る>のテーマで、華道家の使命は、千年守り続けてきた日本の美しい風景をこの先千年つないでいくこと。そして風景は、人と自然の係わり合いによって保たれていくもの、という話をしました。
嵯峨天皇様の、命の大切さと平和を願う心が嵯峨御流の花の核となるものです。1200年を経た今もその思想を私達が受け継ぎ、未来に伝えていく使命を皆様と共に考えていきたいと思ったからです。
続いて、デモンストレーションは岡田芳和理事と共に、4点の作品を8mほどの幅の舞台上に展開しました。
荘厳華は嵯峨好「鶴翁」の花器に青竹の筒を用いて、若松を直心にした<真の真>の姿に。
花衣桁は衣装の模様のように雅やかに、格調高く。
十二律管は音曲を奏でるように調和良く。
最後の景色いけは、嵯峨野の風景<広沢池の桜景色>をいけました。
前日からご尽力いただいた地区の多くの先生方に感謝しております、有難うございました。
平成27年2月8日(日)、高松国際ホテルにおいて開催された公開講座、会場の瀬戸の間は、香川司所・徳島司所・池田司所・鳴門司所・高知司所からの350名の参加者で埋め尽くされ、熱気に包まれていました。
まず、30分の講演「いけばなで美しい地球を守る」。続いてのデモンストレーションは、私と田中喜久甫理事が担当し、「吉羊(きっしょう)をいける」のテーマで行いました。
幅約10mの舞台上でのデモンストレーションは、高さ3m50cmのスチールパイプのラック7本をベースに、大作2作をいけました。
それぞれ、「天=彩雲」「地=流れ」というイメージで、「天」の作品は垂れ桑にレンギョウやミモザなどの黄金色の花を主として用い、光輝く瑞雲を表現しました。
また、「地」の作品は、白のルトジのマッスを流れと見て、グロリオサなどの赤、アスパラガスの緑を添えました。
舞台中央に、梅主体の大作荘厳華をいけ、曼荼羅の世界観を表現。
最後に、先月発表されたばかりの、荘厳華の新型花器「そわか」「空瓶(くうびょう)」を用いて、小さくていけやすい、現代の生活空間に似合う荘厳華をご紹介しました。
ところで、
大作を作るときに大切なことは、チームワークだと思うのです。
全体を見ながら指揮する人、花材を持つ人、はしごにのぼり支える人、実際に工具を駆使して留める人、雑巾を持つ人も全ての人が同じ気持ちをもって臨まなければ成功しません。
まるでオーケストラのように、指揮者と演奏者の心が通い合ってこそ美しいメロディーが奏でられるように。。。
大作制作は、出来上がりのイメージを伝えるためのコミュニケーションをはかる事から始まります。
今回の舞台では、各作品の後ろに、6尺の高さの梯子を据え、その上に東四国地区の先生方が乗って、
前からいける花の軸を受け取り、次々と鮮やかに留めつけていってくださったのですが、その姿も”華”になっていて素敵でした。
東四国地区連絡協議会のお世話役の皆様、有難うございました。
今回、使いましたスチールパイプのラック7本には、専用の懸け器(同素材)が15個あります。
どんなところにも、ひっ掛けるだけでOK、かなりの重さの植物をいけても左右にぶれたりせず大変便利です。
スチールのラックの高さは3m50cmで、上から50cmのところで2分割できます。
華展などでお使いになればとても便利で効果があると思います。
婦人画報3月号「花のことづて」のページに掲載されました。
日本が誇る美しき文化、「現代短歌で読み解くいけばなの美」というテーマで、毎号華道流派の家元及び作家が、現代短歌の世界をベースに、いけばなを出合せる連載となっています。
3月号の短歌は、
「光量は誰のものともなき重さ
ミモザ・アカシア両手に剩(あま)る」
戦後の歌壇を代表する一人で、宮中歌会始選者も務められた安永蕗子さんの歌に合わせて、ミモザをいけてください、というご依頼をいただきました。この歌から、わたくしは春の光に包まれる喜びが、ぱーっと心の隅々まで広がるような印象をうけましたので、光のように透明感のある作品をいけたいと思っていました。
撮影は、昨年2014年12月26日でした。冬の時期にはふつうのミモザはまだ咲いていませんし、輸入のミモザも、年末はヨーロッパの市場が休暇にはいるため入手不可能との事。でも、日本で、冬咲き/四季咲きのミモザを育てている生産者の方がおられたのです。やっと植木鉢で取り寄せた、二種類のミモザはいずれも葉が変わっていて、一つはオールリーフワトルという、矮性タイプの四季咲き品種で、松のように細くとがった繊細な葉で、樹高1mくらいから花を咲かせるのが特徴です。もう一つは、ゴールデントップという小さな葉の冬咲きアカシアです。
撮影してくださったのは、フォトグラファーの大川裕弘さん。
光や気配といった<気>まで画面に表現されると言われている、すばらしい方です。
今回の撮影は、自然光にこだわる大川さんが、一切人工の光を入れずに撮影されたものです。
撮影の日は、お顔なじみの、編集・星野眞理子さんに取材をしていただき、時折大川さんの鋭いシャッターの音が響く中、楽しいひと時を過ごしました。
光に彩られたミモザの作品を掲載させていただきます。
婦人画報3月号は、2月1日発売となっております、ご覧いただければ幸いです。
皆様、お寒うございます。今年は元旦から全国的に雪でしたし、立春の前日である節分は大寒の最後の日になりますので、寒さはこの2月3日ごろが最も厳しい頃です。季節の変わり目には、邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うための悪霊ばらいの行事が地域によってさまざまな形で執り行われていると思います。
さて、1月30日に行われた派遣講師研修会において、黒田知正総務部長様が朝礼で次のようなお話をなさいました。
全国では、豆まきのいろいろなものがあります。東京の亀戸天神は「鬼は外」「鬼は外」しか言わない、残った福を参拝者が頂いて帰るから。成田山新勝寺は 「福は内」しか言わない、お不動さんの力で鬼を福に変えるから。東京雑司ヶ谷の鬼子母神さんは「福は内」「鬼は内」、ご本尊様が鬼なのでその鬼を追い出したらご本尊様がいなくなってしまうから。吉野の蔵王堂はお不動様のお寺で、大般若経転読法要をされることでも知られている。「鬼は内」「福も内」、大般若の力で鬼を仏に変えるから。
そして私たちの心の中には鬼も仏もある、自分の中の仏の力を借りて鬼を出さないように、鬼を仏に変えていく努力をすることが大切とお話になりました。
大覚寺では、2月3日に節分会、大般若経転読法要が行われ、私も参列させていただきました。法要の終わりごろ、すべての参列者の肩に僧侶の方が経本をそっと当てて下さいます。その瞬間、晴れやかな気持ちになりました。そして豆まきには、門跡様をはじめとした僧侶と、大覚寺の年男年女の職員さんが並んで威勢よく「鬼は外」「福は内」と厄払いの福豆をまかれました。
月刊「嵯峨」2月号の巻頭を飾る門跡様のお言葉は「努力(つとめよや)」。
私は、節分への想いを作品に託しました。古くから節分には、柊の枝が邪鬼の侵入を防ぐと信じられ、家の庭には北東の表鬼門に柊(ひいらぎ)、南西の裏鬼門には南天(なんてん)の木を植えると良いとされています。鬼(邪気)は尖ったものや臭いのきつい物を嫌うとされ、柊の枝に鰯(いわし)の頭を刺した柊鰯を門口に掛けているのを良く見かけますね。
私の作品に使いましたのは、柊南天。柊はモクセイ科、南天はメギ科ナンテン属で、柊南天はメギ科メギ属の植物です。
信楽の「鬼桶」と呼ばれる水指を花器にして。