いけばな嵯峨御流

華務長の部屋

いけばな嵯峨御流 華務長
華道家

辻井ミカ

Profile

辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。

平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。

そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。

華務長からのお知らせ

青葉祭

平成27年6月15日(月)、弘法大師空海のお誕生を祝う 降誕会法会が大覚寺で行われました。

併催される、書と幼稚園児の絵の展覧会は、私がとても楽しみにしているものです。

今年も拝見してきました。

真言宗大覚寺派保育連盟加盟園園児の絵

嵯峨伝統学院生の書 

京都書道学院の書

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山陰地区連絡協議会いけばな公開講座において、デモンストレーションを行いました。

平成27年6月14日(日)、嵯峨御流山陰地区主催のいけばな公開講座「華やかな平安文化の薫りをいける」が島根県松江市で開催されました。講師として、私と西村強甫華道芸術学院長が出向し、風景をいけるいけ方「景色いけ七景三勝」のうち、「深山の景」「沼沢の景」や、「花衣桁」、「荘厳華」、「花包み」などのデモンストレーションを致しました。受講生の皆様が身を乗り出すようにして見入ってくださって、感動しました!花材は地元松江の花屋さんが素晴らしい花を用意してくださり、ほかにもお家の暖竹や疑宝珠、大覚寺の菱などを持ち寄って下さったおかげで、季節感と臨場感あふれる景色いけになりました。 

私の挨拶の中で、「嵯峨御流のいけばなで、一人一人が社会に対して何ができるかを考えるきっかけとなれば幸いです」とお話ししたように、講演の中では、2007年10月に京都駅ビルで行われた「日本をいけるプロジェクト『ニッポンノケシキ』」で京都駅ビル全体に、いけばなで日本列島を描いて、環境保全を訴えたイベントについてもお話ししました。
当時全国120あった嵯峨御流の司所が、自分の地域の宝である風景を景色いけ七景のいずれかで表現され、その中で山陰地区の4司所は地元の風景を次のようにいけられました。鳥取司所「山陰海岸の風景」(海浜の景)、米子司所「伯耆大山の景」(想い花 深山の景)、大田司所「三瓶山の景」(森林の景)、石見司所「江津海岸の」(海浜の景)。そして、山陰地区連絡協議会合同でいけられたのは、「石見銀山の景」でした。
これからの社会の中で、私達は地球の平和と環境と水の問題を考えて行動しなくてはいけないと思います。伝統文化いけばなの中でも、仏教の思想体系を持ち、水の連続性が風景を生むという発想を花態に表現しているのは、嵯峨御流独特のものです。伝統文化いけばなを通じて、大いに社会に貢献していきたいという気持ちを、講演で皆様に語りながら、自分自身もさらに強く感じました。

会場の皆様はとても前向きで素晴らしい方ばかりでした。お世話になった役員の先生方のおかげで、会場の皆様と一体感が持てた、素敵な公開講座になりましたこと、心から感謝しています。

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神田外語大学でのいけばな嵯峨御流ワークショップ

千葉県の幕張にある神田外語大学において、嵯峨御流ワークショップを開催することになり、6月8日(月)に行われた初回の様子をご紹介します。
神田外語大学HP  http://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/

 

まず、昼食を頂いた場所は、アジアン食堂 
http://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/facilities/cafe/asian/
一般の方でもはいれてエンターテイメントも楽しめる場所です、ここで特別メニューの本格的なタイ料理を頂きました。理事長佐野元泰様にもお目にかかり、ご自分の経験談の中で、「いざ外国で外国人と交流する際、いかに自国の文化について知っていることが重要であるかということを痛感した」というお話が印象的でした。私は深く共感し、これから、国際社会で活躍しようとしている人たちは、自国の文化を知り、誇りを持って語ることができなくてはいけないと改めて思いました。


ワークショップの会場は、ミレニアムハウスホールです。

 http://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/facilities/bldg5/
今回は50名の応募があり、留学生・日本人学生・外国人教師の方も交じって受講されました。
14時50分~15時50分までの講義&デモンストレーションでは、嵯峨御流の紹介のあと、景色いけ七景を紹介。景色いけの型は、嵯峨天皇の、一木一草に宿った生命を愛でる御心と、密教の曼荼羅の宗教観である「世界の要素はすべて繋がっている」という思想により生み出されたものです。すなわち、生命の根源である水の流れ
が、深山~森林~野辺~沼沢~池水~河川~海浜と七つが連続して1つの大景観を作り上げる・地球のどの地域でも七景がすべていけられる(=水の流れが滞らず流れる)ようになれば地球環境は保たれると説明しました。伝統とは、時代の舞台上では、景色いけ・想い花景色いけ を取り混ぜて、七景の実演を見て頂きました。
16時10分~17時30分のワークショップでは、ほとんどの学生が、初めてのいけばな体験でしたが、大変熱心に取り組まれ、各自が水盤と花留めに花鋏を使って野辺の風景をいけました。体験して、きれいに飾るだけではない いけばなの深さと楽しさがわかったという声を聞き、嬉しく思いました。

 

 

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6月8日 9時37分撮影の富士山。新幹線の車中から。サイズ変更IMG_0006

 

 

日本女性新聞 トップページに、中日いけばな芸術展の記事。中日いけばな協会理事長 庄司信洲先生の作品

茶華道の業界全国紙である「日本女性新聞」第2197号を開くと、トップページに、第40回記念 中日いけばな芸術展の取材記事と前期展秀作15点が紹介されていました。その中で、中日いけばな協会理事長 庄司信洲先生の作品「筍王・まさに平安の薫り」、及び 嵯峨御流の水野智甫先生の作品が掲載されていました。私は残念ながら華展に伺えませんでしたが、会期は5月13日~18日、名古屋松坂屋本館において開催されました。

 
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6月6日はいけばなの日ー兵庫県いけばな協会と京都いけばな協会の取り組みー

昨年、全関西のいけばな界で、芸能上達の吉日6月6日を「いけばなの日」と制定されました。
その「いけばなの日」に因んだ2つの催しを拝見してきましたので、出瓶された作品の中から嵯峨御流の作品スナップ写真を掲載します。


兵庫県いけばな協会では、今年春の“兵庫県公館春の一般公開”に合わせて、選抜作家いけばな展と子どもいけばな体験教室を開催されました。
兵庫県いけばな協会 及び 兵庫県いけばな芸術文化振興会議出瓶協会に所属する会員の中で、嵯峨御流から中村のぶ甫先生・那須真澄先生・森 真月先生が出瓶されていました。

 

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京都いけばな協会では、京都いけばなプレゼンテーション2015<やまと絵、琳派の草花をいける 花会>と題した華展を京都芸術センターで開催されました。嵯峨御流から垣花悦甫先生・長谷川明洲先生・岩本悦甫先生が出瓶されていました。

 

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7月5日(日)TOKYO MXテレビ『ようこそ櫻の国へ』の番組で、『天皇の花・嵯峨御流』が放映されます。≪放送対象地域は東京都です≫

東京都を放送対象地域とする、TOKYO MX テレビで、表記の番組が放映されます。
本放送は日曜日8:30~8:55(091チャンネル)
再放送は土曜日16:30~16:55(092チャンネル)

企画制作の、メトロポリタンテレビジョン株式会社のプロデューサーは 今井 彰さん(作家、元NHK『プロジェクトX』EP)。

7月5日放映予定の「天皇の花・嵯峨御流」では、嵯峨御流の華道の根本[嵯峨天皇の華道に対する心]を、花を愛する

阿木燿子さんが探る旅。嵯峨天皇のいけた花とは?天地人とは?などインタビューを交えながら嵯峨御流の歴史、天皇の花とは何か等を探っていく、という内容です。

テレビ局・大覚寺からの依頼により、出演致しました。京都での撮影は5月29日に大覚寺で行われ、嵯峨御流会の先生方による供待挿花の様子も撮影されました。また、東京では6月4日に高野山東京別院において、東京司所の先生方のご協力を得て撮影が行われました。
高野山東京別院は昭和4年に建てられ、当初より別院に華道総司所東京出張所を置かせていただいたという、大覚寺との深いご縁で、御協力を頂けた次第です。丸2日間にわたる収録が終わり、この後25分間に編集されることになります。

 

  嵯峨天皇ご尊影IMG_0457  プロデューサー 今井 彰様とサイズ変更IMG_0520
  撮影風景IMG_0575  撮影風景IMG_0571
 大覚寺供待での撮影にご協力いただいた、嵯峨御流会の先生方と。サイズ変更IMG_8257 

 

大正大学仏教学科 仏教学科基礎ゼミナールでの講義

大正大学 仏教学科で、毎年春学期・秋学期一回づつゲスト講師として招聘を受け、今年で3年目になりました。

6月1日、受講生は28名です。授業のはじめに、大正大学の卒業生でいらっしゃる草津栄晋教務部長様がご挨拶されました。

「大覚寺は真言宗大覚寺派の本山です。1200年の歴史があり、もと嵯峨天皇の御所だったところ。その御所で発祥したのが嵯峨御流です。当初はまだ嵯峨御流という名前ではありません、後になって名前が誕生したのです。日本の公的な記録の中では、類聚国史という書物の中に、嵯峨天皇がお花をいけられたという記録が残っております。それは、まだ嵯峨天皇様が皇太帝の時に、お兄様の平城天皇の御見舞いのために、神泉苑でお花をいけられたというもので、すなわち、嵯峨天皇様はお花を実際においけになられた方だ、という確証がある御方なのです。この嵯峨天皇様が、当時嵯峨御所とよばれていた大覚寺でお花をいけられたという寺伝が私ども嵯峨御流の発祥になっています。嵯峨御流は、密教的な思想体系をもった世界で唯一の華道であるといえます。

いけばなの中に、密教の六大思想というものが反映された花型(荘厳華)があり、それぞれの役枝に六大を形にして表現しています。後程(実演で)見て頂けると思いますが、きちんとした歴史的な伝統あるいけばなです。今日は、生活の中にあるいけばな、その中にも仏教や密教的なものの薫りが伝えられていることを感じて頂ければ幸いです。」(要約)続いて私の講義テーマ「いけばなで命と自然の大切さを学ぶ」について、パワーポイントを使いながら、実演を交えて約1時間お話ししました。嵯峨御流の花態にはすべて曼荼羅の宇宙観が現れています。景色いけにおいては、命の根源である水の流れの連続性が風景を生み出すという発想で、山から海までの「七景」をつなぐと、一つの大景観が表現できるというところが、嵯峨御流の独自性です。景色いけが出来た昭和6年頃の日本の時代背景なども説明しながら「景色いけ・七景の水の取り方」の中から「深山の景」「沼沢の景」「河川の景」をデモンストレーションで紹介し、「いけばな」は生命感の表現であると説明しました。

また、新型荘厳花器「そわか」を用いて荘厳華をいけ、曼荼羅の宇宙観である六大無礙の思想を、森羅万象を表す「地・水・火・風・空」の5つの役枝と精神性を表す「識」の6つの要素の調和美で表現すると説明しました。

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日本いけばな芸術中国展 後期を拝見しました。

前期を5月22日に拝見し、本日25日は後期最終日を拝見してきました。朝、10時過ぎに会場であるそごう広島店9階に到着しましたが、入場者は長蛇の列で、昨日は入場制限されていたそうです。

後期、嵯峨御流からは、8花席に12名が出瓶されていました。写真を掲載させていただきます。

後期の5人合作席の作品のモチーフは、「平和の灯」。戦後70年に因んで、世界平和を願う作品とされました。

広島市に建てられている、「平和の灯」の姿を基に、その手首を合わせて、手のひらを大空にひろげた形をいけばなに取り入れられたそうです。

役員席    吉田泰巳先生

一人席    元中裕甫先生  那須真澄先生  大枝美紀甫先生  三浦良楓先生

       沖田信甫先生  唐川幸治先生

五人席    石田恒甫先生  青野直甫先生  尾熊千鶴子先生  益本明甫先生  大和亭甫先生

 

 サイズ変更後期役員席(吉田)サイズ変更後期会員(那須) 
 サイズ変更後期会員(大枝) サイズ変更後期会員(元中)
 サイズ変更後期一般(唐川) サイズ変更後期一般(三浦)
 サイズ変更後期一般(沖田) サイズ変更2015-05-24 19.10.57

 

2015年5月24日嵯峨祭 還幸祭

愛宕神社の愛宕神・野宮神社の野々宮神をお祭りする嵯峨祭りは450年以上の歴史があり1537年の文献に記述が見られる古いお祭りです。祭神が二社、神輿も二基ある事や、お祭りの主催が江戸時代まで大覚寺・清涼寺(棲霞寺)などのお寺だということが他と違う特徴なのです。

二基のお神輿は清涼寺の前を通り大覚寺に到着し、そこで儀式が行われます。大覚寺勅使門を五基の剣鉾がくぐり抜け、神輿の担ぎ手と2基の神輿は勅使門の前で大覚寺僧侶の読経と神社の祝詞の両方、神仏習合の形で清払いをお受けになります。大覚寺を出た後は、五基の剣鉾(オモダカ、リュウ、キリン、キク、ボタン)が「りん」をならし、神輿が通る為に邪気を払いながら一日かけて嵯峨一帯を練り歩くのです。

毎年、第四日曜日。お旅所出発は10時。大覚寺到着は11時50分。町内を練り歩いてお旅所へ戻るのは17時。

お祭りの法被には、大覚寺の寺章「嵯峨」の山山を上下に重ねたものがつけられています。

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一青窈さんが歌う「女ひとり」。NHK テレビ、大覚寺から生中継されました。宸殿と

2015年4月28日、NHKテレビ20時から約1時間放映された「歌謡コンサート」の中で、大覚寺から生中継が行われました。大覚寺の重要文化財「宸殿」の牡丹の障壁画の間には、いけばな嵯峨御流の大振りな作品がいけられ、その前で、一青窈さんが「女ひとり」を3番まで歌われました。

3番の歌詞は、「京都嵐山大覚寺・・」まさしく大覚寺がテーマになっています。映像では、宸殿の檜皮葺の屋根を鳥瞰撮影し、一青窈さんが真っ白なドレスをひるがえしながら村雨の廊下から宸殿へと入ってこられる様子がうつされていて、ライトに浮かぶ御所風の佇まいは息をのむほどに美しく感じました。

撮影の前日に宸殿前の白州に建てられた3階建てほどの高さのある櫓は、このアングルを撮影するのに必要だったのか、と納得しました。写真は、宸殿にいけられた 5つのいけばな作品のスナップです。6名でいけこみをし
ました。

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曲の前の、アナウンサーと一青窈さんの生中継での会話:

アナウンサー「京都の西に位置する大覚寺。観光名所として人気の嵐山の近くに位置していて、歴史は、平安時代にさかのぼります。この大覚寺のもう一つの魅力をご紹介したいとおもいます、こちらをご覧ください、それは、いけばななんですね。およそ1200年の歴史を持つ、いけばな嵯峨御流の総司所、いわゆる家元なんですね。今日
のために特別にいけて頂いたのです。

一青窈さんは、「この大振りのお花が大覚寺にピッタリですね」と仰っていました。

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