母に連れられて小さい頃から6月30日には夏越の祓のため茅の輪をくぐらせていただきに神社へ行った。
いろいろな神社で茅の輪を据えられていると思うけれど、わたくしは家からそう遠くない車折(くるまざき)神社へ。車折神社は、芸能の神様として知られていて、特にお正月は必ずお参りさせていただいている。そして家へ帰っていただく水無月のお菓子。。。
前半年の穢れを清め、後半年を元気で過ごさせていただけますようとの祈りを込めて、茅の輪のくぐり方通り左右左と八の字を描く様に回ってから向こうへ抜けると清々しい思いになる。こちらの神社では人形(ひとがた)に名を入れ、体の気懸かりな部分を撫でて納めるとお焚き上げをしてくださる。
こうして節目節目に神仏のお力を感じながら暮らしていく生活が嬉しくて仕方がない。
拾遺集より
水無月の 夏越の祓い する人は 千歳の命 延ぶといふなり
下記ブログに車折神社と茅の輪の素敵な写真がございますのでご覧ください。
祇園祭 いけばな展。嵯峨御流は「十三や」に展示します。
抽選により、今年は嵯峨御流は柘植の櫛を扱われる「十三や」さんのウィンドーにいけることになりました。
1875年創業の十三やさん。名前の由来を尋ねると、つげぐしのく(9)とし(4)を足して十三やという屋号になったそうです。楽しい言葉遊びの文化が継承されていますね。わたくしも、小さい頃から四条通りで十三やさんの前を通る時、一際印象に残っているのが、所狭しと並ぶ柘植の櫛と、細長い竹がまるで髪の様に思える照明器具です。
ぜひ、お祭りの3日間、足を運んでご覧くださいませ。
「第37回いけばな展」
~名家名流が花を競い合う、恒例ストリートギャラリー四条いけばな展~
本年で37回目を迎える夏の催事「いけばな展」が開催されます。祇園商店街振興組合、四条繁栄会商店街振興組合の共催で、京都いけばな協会所属流派が協力して、八坂神社前の祇園石段下から烏丸までの四条通のショーウィンドーをストリートギャラリーとして開催されます。
■開催期間 令和5年7月15日(土)~17日(月・祝)の3日間
■場 所 八坂神社前の祇園石段下から烏丸までの四条通
今年は宗祖弘法大師さまのお誕生1250年を迎えます。
大覚寺では、11日から17日まで毎日二座の法会とご法話が行われ、華道嵯峨御流は一週間、荘厳華一対を献花し、全国から大勢のご参拝がありました。
15日には奉祝記念奉献花法会が厳修され、心経前殿にお祀りされた花御堂の稚児大師を拝ませていただき、奉献された伝灯学院生の方のいけばなと書を拝見しました。
東京 巣鴨の、大正大学仏教学科の仏教学基礎コースと仏教文化遺産コース合同の授業においてゲスト講師としていけばなの講義をいたしました。毎年、春学期の講義と秋学期の荘厳華実技実習を一回ずつ担当させていただき今年で11年目になります。
大正大学仏教学科のホームページには、
「仏教の学びから『今』を見つける。」とあります。背景に深い哲学、思想、歴史、文化をもつ仏教の学びから今を見つける・この言葉は伝統文化いけばなにも通じる事です。
この日、わたくしの講演タイトルは「いけばなで自然と生命の大切さを学ぶ」。大覚寺大沢池が1200年前の姿を今もとどめている日本現存最古の庭園池であることや、その大沢池の風景を原点として、山から海までの風景を7つの特色ある水の流れに分け、それらの水が連続して流れることで風景が生まれるという発想が花態となっている、嵯峨御流「景色いけ」について、実演を交えて約1時間お話ししました。
嵯峨御流のすべての花態の根底には仏教の宇宙観がありますが、景色いけにおいては、命の根源である水の流れの連続性が風景を生み出すという発想で、山から海までの「七景」をつなぐと、一つの大景観が表現できるというところが、嵯峨御流の独自性です。景色いけが出来た昭和6年頃の日本の時代背景なども説明しながら「景色いけ・七景の水の取り方」の中から「深山の景」「沼沢の景」をデモンストレーションで紹介し、「いけばな」は生命感の表現であると説明しました。
最後に、瓶花と荘厳華「そわか」を石田啓甫先生にいけていただきました。密教の六大思想というものが反映された花型である荘厳華は、それぞれの役枝に六大を形にして表現しています。
曼荼羅の宇宙観である六大無礙の思想を、森羅万象の「地・水・火・風・空」の5つの役枝と、精神性を表す「識」の6つの要素の調和美で表現すると説明し、秋学期にはそわかを実習してもらいますとお伝えしました。
参考花は日曜日に行われるオープンキャンパスまで飾ってくださるそうで、嬉しいことです。
名誉総裁高円宮妃殿下のご臨席のもと、ホテルニューオータニ東京で開催された、いけばなインターナショナル東京支部の昼食会に出席しました。昨年のフェアの収益を災害のあった国の復興支援金として寄付贈呈式の後、勅使河原茜先生と座・草月の皆様との息のあった豪華で圧倒的なデモンストレーションを拝見しました。
役員の方々や、嵯峨御流の方にも、そして沢山の友人に出会えて嬉しく思いました。「花を通じての友好」をモットーとするI.I.ならではのインターナショナルで社交的な雰囲気です。
皆様からいただいたお写真をご披露させていただきますが、残念ながら一緒に撮れなかったかたも。。。
親しくお話をさせていただきました高円宮妃殿下や、ご来賓の各国大使閣下、大使夫人との集合写真はここでは控えさせていただきます。
6月4日。富山司所創立70周年記念 講演とデモンストレーション
嵯峨御流華道富山司所創立70周年記念特別研究会が高岡市のウィングウィング高岡において開催され、富山司所会員を中心として北陸司所、能登司所、富山春陽司所からの参加も合わせて200名程が集われました。
田中悦甫司所長の開会のご挨拶で、今回のテーマである「時代を超えて受け継がれる嵯峨御流の魅力」のお話しをされました。続くわたくしの講演のタイトルは「シン・日本をいける」とし、嵯峨御流が大切にしているもの、花態に込められた哲学、地球規模で考えなくてはならない課題に嵯峨御流はどう取り組もうとしているかなどをパワーポイントを使ってお話しさせていただきました。そして令和8年に大覚寺寺号勅許1150年を迎える慶事を機に、全国司所活性化と令和8年大華道展「シン・日本をいける」が開催されることなどお話ししました。
デモンストレーションは、立山連峰に抱かれた富山の深山、里山、雨晴海岸女岩の風景をいけ、富山司所の特別のおはからいによりサックス奏者谷道実子先生の演奏とのコラボで楽しんでいただきました。
舞台を手伝っていただいた先生方には、立山の”雪の精”として、白のウェアで出演していただくなど舞台を皆さんで作りあげ、他にも大勢の先生方がスタッフとなって準備から運搬、段取り等々、陰の大きなお支えも含めて皆一丸となって取り組まれ、この団結の力の誰一人欠けても成し得ないおおきな達成感を私も共に味わわせていただけましたこと、感謝でいっぱいです。