5月30日 蛍
光るコウチュウ「蛍」。
5月末頃、嵯峨に蛍が舞います。
種田山頭火の俳句を2句。
「暗さ匂へば 蛍」
「なんといつてもわたしはあなたが好きな蛍」
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Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。
光るコウチュウ「蛍」。
5月末頃、嵯峨に蛍が舞います。
種田山頭火の俳句を2句。
「暗さ匂へば 蛍」
「なんといつてもわたしはあなたが好きな蛍」
御室仁和寺において開催された御室流の挿花大会を拝見させていただきました。コロナ対策を考慮された上でのいけばな展開催は、さぞかしご苦労がおありだった事と思います。美しい堂宇の中でいけられた作品、鮮やかな新緑のお庭の風情、堪能させていただきました。
大覚寺学園 嵯峨美術大学学長 佐々木正子先生が、医療従事者の方々への感謝と応援のため、二期会のオペラ歌手 斉木健詞様にお願いしてYouTube上でのコンサートを収録されました。
ぜひ多くの方にも聞いていただき、少しでも気分転換をしていただけたら、という先生のお気持ちを伺いましたので、このブログをご覧頂いている皆様にお伝えしたいと思います。ぜひお知り合いの方にもシェアしてあげてください。
どなたでも無料で聞くことができます。
学長様は、これまでにも、感染症の先生方のご指導のもと食事の時に使うマスクの制作などの活動をしておられます。
「医療従事者 感謝と応援コンサート 斉木健詞」
また、下記QRコードからでもつながります。
5月の連休明け。立夏を迎えて新緑が一層鮮やかな祇王寺を訪ねました。
楓も苔も、生き生きとした生命力に満ち溢れています。
新緑を見ると思い出す、植治 次期12代 小川勝章さまの美しい言葉で綴られたエッセイを、『茶道雑誌』2018年5月号より引用させていただきます。
以下、『茶道雑誌』2018年連載エッセイのテーマ「御庭歳事記ー皐月ー」より引用。
5月号「受け継がれる新緑」
植治 次期12代 小川勝章
是非この季節に、お出掛けくださいませ。
秋に訪れになったお庭に、今一度。
紅葉の名所は、必ずや新緑の名所です。
あの時、心惹かれた楓とも、久方ぶりの再会です。
私たちが及びもつかない樹齢にもかかわらず、いきいきとした生命力にあふれています。
(中略)
是非この季節にご覧くださいませ。
松などの針葉樹、樫などの広葉樹、常緑の新緑を。
年中不変、然に非ず。緑の移ろいが見て取れます。
薄黄色のもの、乳白色のもの、赤みを帯びたもの。
日に日に成長しつつ、色目も変容し、多様な緑に出会えます。
十人十色ならぬ、十緑十色とでも申しましょうか。
それらが一際輝くのには、常緑樹ならではの訳がございます。
新たな葉は枝先に芽吹き、枝の懐には昨年までに成熟した葉が留まる。
葉にも先輩と後輩との関係が存在するかのよう。
色濃く成熟した葉には、まるで新緑を導くように、一層引き立てる深みがあります。
そして成熟しきった葉は、気温が上がり始める頃に落葉を始めます。落葉と時を近しくして、若葉は成長するため、常緑の風情は保たれます。
舞い散る葉と力漲る若葉。
人知れず、世代の受け渡しが行われています。
世代を超えて、共存を続ける落葉樹。
世代を交代させつつ、緑を保ち続ける常緑樹。
「新緑」に秘められた奥深い営みは、受け継がれ続ける伝統そのものではないでしょうか。
是非、お出掛けいただき、ご覧くださいませ。
京都には新緑の名所が沢山ございます。
これからも、きっと受け継がれ続けることでございましょう。