華務長の部屋
いけばな嵯峨御流 華務長
華道家
辻井ミカ
Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。
華務長からのお知らせ
大覚寺が開門されました!
新型コロナ拡大防止対策として、一般拝観を中止されていた大覚寺が、この度開門されました!三密を避けて頂くため、一度に境内へ入る人数制限はされていますが。
爽やかな風吹き渡る広々とした大沢池に立ち、変わらない風景の中に、季節の到来を告げる植物の変化があります。その愛らしい新芽や花々を見ながら池畔を巡るうち、気がつけば池を一周していました。
大沢門のすぐそばにある、ホタルが見られる有栖川
「出ずる日 蕾む花」
コロナ感染拡大防止のため、長く閉ざされていた大覚寺の御門が今日開かれました。
「日常」を当たり前に享受できることのありがたさを痛感しただけに、開門の嬉しさはひとしおです。
出ずる日蕾む花
朝日は出でてますます高く登ろうとし、
蕾は開かんとする。
未来は前途洋洋でありますように。そのためには、一人一人が行動を見直して、社会全体が良くなるように考えて動きましょう。
私共華道家は、心に勇気と活力をもたらしてくれるよう、花で社会にお仕えします。
5月は母の月。 日本いけばな懇話会のFacebookより。
http://ikebana-konnwakai.com/
日本いけばな懇話会のFacebookに、「花の月」の花をいけました。
日本いけばな懇話会は、いけばな文化の確立と研究普及を目指し、志をひとつにする全国の華道家六十六流派八十九名が多方面にわたり活動する集団です。
今年の5月は「母の月」キャンペーンについて。日本いけばな芸術協会の取り組み。
日本いけばな芸術協会ホームページ
一日一華。今年の5月は母の月。
一日一華。5月4日「みどりの日」。~マツの緑を守る~
5月4日はみどりの日です。華道芸術学院前の花供養塔の南庭に10年余り前に植樹された<マツクイムシに抵抗性のある「抵抗性マツ」>について少しお話しします。
このマツは、植樹されて以来10年余りの間にすくすくと大きく育ちました。
植樹式は、華道芸術学院教授100名余りが見守る中、当時の理事長黒髪寛延僧正と華務長長谷川喜洲先生、嵯峨御流の指導者である教授の代表者によって2009年6月25日に行われました。当時日本中が、マツクイムシによる深刻なマツ枯れ被害に悩んでいた時期で、大覚寺では最高十数本が一度に枯れた年もありました。
神仏の拠り代ともされてきた松・そして風光明媚な嵯峨野さらには京都の風景にとって命である松・それを今、人の手で守らなくてはならない!こうした思いで、伝統文化に携わる私共いけばな嵯峨御流の教授一同は、京都府が研究開発された、<マツクイムシに抵抗性のある「抵抗性マツ」>を植樹し、松の風景を守るという意識を形にあらわしていく第一歩としたのです。このマツの健やかな成長を見守りつつ、嵯峨野そして京都ひいては日本の風土が美しい松の緑で覆われた風景を取り戻すことのきっかけとなることを願いました。
Stay homeで自粛を続ける日々、嵯峨御流に出入りの花屋さんがわざわざ色とりどりの花を届けに来て下さいました。その気持ちに感動・心が熱くなりました。
今年4月の華道祭が行われていたら、一面桜色に彩られていたこの庭が皆様を楽しませてくださったのですが、、、コロナを収束させて、来年は2年分の華道祭を華々しく行いたいものですね。
百合・シャクヤク・ラクスパー。
一日一華。5月2日。富貴花。
「百花の王」「花王」「花神」「富貴花」これらは皆牡丹の別名。中国原産のこの花は、8世紀過ぎから長安の都で大変もてはやされたそうです。
この頃遣唐使で長安の都を訪れた空海もきっとご覧になられたはず。
時 5月2日
場所 辻井家 玄関
花 牡丹
器 ボヘミアンガラス、信楽焼下蕪
一日一華。5月1日。 草陰に戯れる野兎と紫蘭
「花は生きている」
家に誰かがいて、自分が出かけるときに「行ってらっしゃいませ」と声をかけてくれるだけで心はあたたかくなる。家に帰ったら「お帰りなさいませ」と声が聞こえてきたら、それだけでホッとする。
花は生きている。だから玄関の花は、そう語りかけてくれるように、心があたたかくなる。
時 4月30日
場所 大覚寺明智陣屋 玄関
花 黄金孔雀檜葉