6月5日。新宿高島屋で、草月流華展を拝見しました。
草月流創流90周年記念展は、6月1日~6日まで「自然の花の中から、いけばなという別な花が咲くのだ。」というテーマで、新宿高島屋にて開催され拝見してまいりました。
第四世 茜家元の迫力の大作と、白い壁の空間に前後期約200名のご出瓶でした。
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Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。
草月流創流90周年記念展は、6月1日~6日まで「自然の花の中から、いけばなという別な花が咲くのだ。」というテーマで、新宿高島屋にて開催され拝見してまいりました。
第四世 茜家元の迫力の大作と、白い壁の空間に前後期約200名のご出瓶でした。
6月5日、大正大学仏教学科で授業を担当させていただきました。毎年春学期・秋学期一回ずつゲスト講師として招聘を受け、今年で5年目になります。登録受講生は25名です。まず、自己紹介を兼ねてお話を致しました。
「大覚寺は1200年の歴史があり、もと嵯峨天皇の御所だったところ。その御所で発祥したのが嵯峨御流です。当初はまだ嵯峨御流という名前ではありません。後になって名前が誕生しました。日本の公的な記録の中では、類聚国史という書物の中に、嵯峨天皇がお花をいけられたという記録が残っております。嵯峨御流は、密教的な思想体系をもった華道です」という嵯峨御流の紹介の後、私の講義に移りました。
講演テーマは、「いけばなで命と自然の大切さを学ぶ」です。大覚寺大沢池が1200年前の姿を今もとどめている日本現存最古の庭園池であることや、その大沢池の風景を原点として、山から海までの風景を7つの特色ある水の流れに分け、それらの水が連続して流れることで風景が生まれるという発想が花態となっている、嵯峨御流「景色いけ」について、実演を交えて約1時間お話ししました。嵯峨御流のすべての花態に曼荼羅の宇宙観が現れていますが、景色いけにおいては、命の根源である水の流れの連続性が風景を生み出すという発想で、山から海までの「七景」をつなぐと、一つの大景観が表現できるというところが、嵯峨御流の独自性です。景色いけが出来た昭和6年頃の日本の時代背景なども説明しながら「景色いけ・七景の水の取り方」の中から「深山の景」「沼沢の景」をデモンストレーションで紹介し、「いけばな」は生命感の表現であると説明しました。
最後に、荘厳華を「そわか」を用いていけました。密教の六大思想というものが反映された花型である荘厳華は、それぞれの役枝に六大を形にして表現しています。曼荼羅の宇宙観である六大無礙の思想を、森羅万象の「地・水・火・風・空」の5つの役枝と、精神性を表す「識」の6つの要素の調和美で表現すると説明して、授業は終了しました。皆さん、熱心に聞いてくださり、嬉しく思いました。
基礎ゼミナール担当教授の神達先生、仏教学部長 林田康順先生、秋学期担当教授の米澤先生、助手の池田そのみさんが授業を見守っていてくださいました。秋学期は、荘厳華「そわか」の実技をする予定ですので、楽しみです。
本日は、派遣講師の石田啓甫先生に助手をしていただきました。視察とご挨拶のため、大本山大覚寺から伊勢俊雄宗務総長、草津栄晋部長、華道課職員の方々も、お越しになりました。
成城石井が90周年を記念して、出羽桜酒造とのコラボで【成醸おもひ】という去年の金賞受賞のお酒をつめた日本酒が6月1日全国の成城石井店舗に並んでいま
す。お酒ラベル揮毫は、若くて凛々しい、女流書家 篆刻家 瀬原 加奈子様。
嵯峨御流が毎年 大阪うめだ阪急百貨店のコンコース側ウィンドウ七面にいけているお正月迎春大作の、題字を書いて下さっている方です。
ウィンドウの題字もあわせてご覧ください。いけばなの作品コンセプトに合わせて書いて下さっていますので。
伝統芸能の世界では、6歳の6月6日にお稽古を始めると上達するといわれております。近畿のいけばな協会では、これを踏まえて6月6日を「いけばなの日」として、いけばな文化について考え、発信する日としています。
地域ごとにいろいろな行事などを実施され、いけばなの普及に努めておられます。その中で、イベントのご案内を頂いた協会のみのご紹介となりますがが、いずれも入場無料催しですので、お時間おありでしたら是非ご覧ください。
※兵庫県いけばな協会は5月末頃にいけばな体験を開催されました。
京都いけばな協会 6月3日、4日
「京都いけばなプレゼンテーション2017<自然と造形>」 京都芸術センター
大阪府花道家協会 6月11日から13日
「いけばな大阪特別展」 西梅田 ブリーゼブリーゼ1階
奈良県華道会 6月3日~5日
『にぎわいの花咲かそう』 奈良町にぎわいの家にて。
室町時代から嵯峨の地に伝わる「嵯峨祭」は、毎年5月の第四日曜日が還幸祭で、今年は5月28日に行われました。愛宕神社と野々宮神社の二神二基の御神輿が大勢の威勢の良い若衆に担がれて10時にお旅所を出発し、まず清凉寺釈迦堂、そして12時に大覚寺へ到着。大覚寺勅使門の前で、神官様からお祓いを受け、続いて大覚寺門跡猊下がご加持と般若心経を唱えられる、神仏習合の形で浄めの儀が執り行われます。そのあと、嵯峨野一帯 嵐山までの町内を、御神輿が練り歩きます。先頭を行くのは五基の10mもの長さの鉾。鉾の先につけられた牡丹、麒麟、沢瀉、菊、龍の雅な金具には「かん」が付いていて、鉾の持ち手が独特のステップを踏みながら「かん」を鳴らしながら歩く所作も見所の一つです。
ところで、お祭りに関わる方々が着ている法被には、お揃いの「山々紋」が描かれています。これは、「嵯峨」の漢字のやまへんを重ねたもので、法被の紋は大覚寺の寺章「山々紋」を桜で囲んだもの。桜で囲まれたこの紋は、嵯峨小学校の校章でもあります。
そして、素晴らしいのは、嵯峨の子供達が、小さな二基の子供神輿を担いで、大人と同じように町内を練り歩く事。地元の祭りは、地元の子供達が担っていってほしいと思います。そして子供達に、地域の誇りであり450年もの昔から続く祭りは、自分たちが継いでいくのだという自覚が芽生えることを祈っています。
子供神輿の先頭を歩かれるのは、大覚寺の檀信徒総代でいらっしゃる井上與一郎先生。嵯峨小学校の中村貴子校長先生も、山々紋の法被を着て子供達に付き添われていました。愛宕神社の御神輿は男子が、野々宮神社の御神輿はは女子が担いでいて、元気な子供達の姿を見ていると勇気が一杯湧いてきました。
私も、この地域に生まれ育ち、毎年このお祭りに親しんで参りましたので、勅使門での仏事と神事をどうしても拝ませて頂きたく、わずかな時間でしたが立ち会わせて頂きました。
過去の嵯峨祭に関するブログ
https://www.sagagoryu.gr.jp/2016/04/?cat=57
https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_1642/
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