8月29日、「いけばな新進作家展」後期展を拝見しました。
「いけばな新進作家展」後期を拝見しました。嵯峨御流からは前期5名、後期5名の方が出瓶されました。明日30日まで開催されていますので、ぜひお出かけください。
場所は、大阪の、大丸心斎橋店 北館14階イベントホールです。
嵯峨御流 後期展の作品をご紹介します。
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Profile
辻󠄀井ミカ先生は、祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門され、平成2年派遣講師となり本格的に華道家としての活動を開始される。
平成8年華道芸術学院教授に任命されたのを始め、華道評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の総司所役職を歴任、平成16年より平成26年3月まで弘友会司所の司所長に就任される。
そして平成26年4月1日より華道総司所華務長に就任。
現在、日本いけばな芸術協会常任理事、大正大学客員教授を務められる。
「いけばな新進作家展」後期を拝見しました。嵯峨御流からは前期5名、後期5名の方が出瓶されました。明日30日まで開催されていますので、ぜひお出かけください。
場所は、大阪の、大丸心斎橋店 北館14階イベントホールです。
嵯峨御流 後期展の作品をご紹介します。
大丸心斎橋店 北館14階イベントホールで、8月25日から30日まで「いけばな新進作家展」が開催されています。20流派120名の作品が、前後期にわかれて展示されるなか、本日前期展を拝見しました。嵯峨御流からは前期5名、後期5名の方が出瓶されていますので、ぜひお出かけください。
嵯峨御流 前期展の作品をご紹介します。
「伝統織物『龍村』×いけばな『嵯峨御流』コラボレーション」
伝統織物「龍村美術織物」の四代龍村平藏様が7月に大覚寺にお見えになり、私もお目にかかって、寺内をご案内させていただきました。
今回の髙島屋展示会で新作発表される「竹庭錦」は、金明孟宗竹(キンメイモウソウチク)を見てインスパイアされたそうです。金明孟宗竹は、節に交互に輝くような黄金色の模様が入るとても美しい竹です。いけばなでは、稈の細い金明竹は良く使いますが、貴重な金明孟宗竹はめったに使う機会がありません。その神秘的でパワフルな竹が、金銀をふんだんに使われた織物で表現され「竹庭錦」の作品が誕生したとのこと。
またその折に色々な興味深いお話を伺う事が出来ました。たとえば、平藏様が金明竹に出会われたのは、京都 八幡市の松花堂庭園。松花堂庭園には「吉兆」がお店を出しておられますが、松花堂と吉兆は御縁がおありだとか。そもそも、この松花堂庭園は、「寛永の三筆」の一人として名高い松花堂昭乗の住まいが今も残っているところ。松花堂昭乗は、当時農家の種入れとして使っていた器を元にして、自分の絵具箱や煙草盆になる四角い箱に十文字の升目をいれた器を作り愛用されていたとのこと。その器を「吉兆」創始者の湯木貞一氏がお弁当の器として見立てられ、「松花堂弁当」と命名されたのが、現在ポピュラーになっている松花堂弁当の始まりなのだそうです。
コラボレーション企画は、9月からいよいよスタートします。
第一弾は、9月1日・2日の両日、京都の「ザ・リッツ・カールトン京都 TAKANEの間」
(午前10時から午後5時まで)
いけばなは、御所車になんと!!本物の金明竹を使っていけられます。
フォワイエのいけばなも併せてぜひご覧くださいませ。
いけばなは嵯峨御流京都地区連絡協議会が担当されます。
第二弾は、髙島屋の4店舗(横浜、大阪、京都、日本橋)
詳しい日程は、こちらから。https://www.sagagoryu.gr.jp/post_id_5837/
ブログのポスターも併せてご覧くださいませ。
こちらの髙島屋4店舗では、「竹庭錦」作品が展示されます。
すべて入場無料ですので、ぜひ伝統織物と雅ないけばなの綾なす世界をご覧いただきたいと思います。
龍村織物、4代目龍村平蔵社長様の襲名10周年記念展示会に、嵯峨のお花を生けさせていただく事になりました。京都リッツカールトンホテル、大阪高島屋、東京日本橋高島屋、横浜高島屋、京都高島屋、いずれの展示会も、どなた様でもご自由にご覧いただけるそうですので、ぜひお運びくださいませ。
会場挿花は、それぞれの嵯峨御流地区連絡協議会が担当しています。
京都リッツカールトンホテルと京都高島屋は京都地区、大阪は阪南和歌山地区、日本橋と横浜高島屋は関東地区です。
私は、平蔵社長様とのトークショーを、次の二会場でさせていただく予定です。
なんば高島屋で9月17日(土)14:00~14:20
日本橋高島屋で10月22日(土)14:00~14:20
龍村平蔵社長様の今回の新作帯は、金明孟宗竹にインスパイアされた図柄との事。素晴らしくゴージャスです!
残暑お見舞い申し上げます。
10日から総司所は夏期休暇に入りますので、このブログもその間はお休みします。今年は、ことのほか厳しい暑さに感じますが、皆様お体にお気をつけて、暑さを乗り切って下さい。また17日から、よろしくお願い致します。
私が撮った写真は、京都嵯峨芸術大学の正門を入ったところに咲いている、デイコの仲間、「サンゴシトウ(珊瑚刺桐・珊瑚紫豆)、別名「ヒシバデイゴ(菱葉梯姑)」です。6月から8月頃に咲き、葉が桐に似て、南国の雰囲気が漂う花です。
8月7日、京都は37度の猛暑日となりましたが、早朝から67名の受講生の方々と、大勢の親先生が華道芸術学院にお越しくださいました。
まず寺内拝観です。僧侶の方から境内の説明を聞かれ、大沢池については私がお話をさせていただきました。「庭湖」といわれる大沢池は、現存最古の林泉で、華道嵯峨御流の原点です。平安時代、嵯峨天皇様が菊花にこめられた自然への想いと、命の尊さ、平和を願う心が、私ども嵯峨御流の始まりです。この場所で、実際に嵯峨天皇様と空海様がお話しになった 大沢池を実際に見て感じて、心に焼き付けて頂きたかったからです。
拝観終了後、クーラーの効いた 涼しい教室に戻って、まずデモンストレーションを見て頂きました。「庭湖の景」今見てきたばかりの大沢池の風景。「芭蕉の生花」大きな葉が緑陰を生む芭蕉で、涼を感じていただきたいという想いで。「朝鮮槇の生花」午後の実技でいけるイメージをつかんで頂けますように。
昼食は、寺内の食堂を利用して、写経日にふるまわれるのと同じ「お饂飩」を召しあがっていただきました。華道総司所は、大覚寺の中にあります。それは日常的に僧侶の方や修行中の伝灯学院生の皆様とすぐ近くで接する場だということです。
普段、お花の先生方や、華道総司所芸術学院の専修会に来られる研究生の方は、ここでお食事を一緒にするのです。この日は日曜日で、職員の方は少なかったのですが、お寺の奥へ入ったという雰囲気は感じていただけたのではないでしょうか。
午後の実技は朝鮮槇の生花です。私と、田中喜久甫いけばな文化綜合研究所所長、岡崎玉峰主任教授が担当致しました。
寸渡に配り木をかけるところからの実習で、一つ一つの行程を説明しながら 皆で同時にいけていきました。受講生の皆様の教えを聞こうとする真摯なお姿には、私共のほうが心を打たれました。そして、全員が生花を全力でいけて完成され、すべてのお花を見終わったあとには、受講生の顔がより一層いきいきとした笑顔であったことに、また感動致しました。
各自が、全力を出し切った自分への自信と、これからの課題・目的を見いだされた、そのように感じたからです。これからも、親先生の元でお稽古を積まれ、自分自身のステップアップを目指していただきたいと思います。最後に全員で大きな拍手、お隣同志で感謝の言葉を伝えあい、爽快な一日となりました。
皆様を、一日見守って下さった親先生方にも、心から感謝申し上げます。
「国境の無い花たち展2016 ~8月6日にひろしまで花をいける~」がシャレオ紙屋町中央広場で開催されました。8月6日、オープニングセレモニーに出席し、岸田外相夫人、松井広島市長夫人、I.I.会長片野様、ほかの皆様と一緒に、私もリボンカットをさせていただきました。この花展は、一人のフラワーアーティストが1986年4月にチェルノブイリの原子力発電所で起きた原発事故を発端に、その後の10年間毎年8月6日に広場の地を訪れ、ただただ平和を願って花を生け続けた「平和を願う花いけ」が、その後、共鳴者を呼び、「国境の無い花たち展」 となって昨年まで毎年いけておられたもの。昨年、被爆70年を機会に一旦幕をひかれましたが、青野直甫先生のご尽力で今年からいけばなインターナショナル広島支部が主催される事となり、趣旨である平和への願いが、さらに世界へ広がる事になりました。平和だからこそ花が生けられる、この平和を願う気持ちがさらに大きな輪となっていきますよう、お祈りしております。
なお、前日5日に同会場で開催された、嵯峨御流西中国地区 いけばな公開講座のデモンストレーションで、私と光岡理事が生けた「景色いけ 太田川の河川の景」と「十二律管」を展示して下さっています。
8月5日、西中国地区連絡協議会主催「いけばな公開講座『華やかな平安文化の薫りをいける』」が、広島市内のシャレオ紙屋町 中央広場において開催されました。
西中国地区の8司所(瑞峰司所、福山司所、広島芸州司所、三原司所、双葉司所、備後司所、広島司所、広島芸南司所)から受講生が集まられました。
一般の方の通行量が多い場所なので、開演前から、大覚寺カフェのプロモーションビデオや、エグスプロージョンの映像をプロジェクターで流され、道ゆく方々も興味深くご覧になっておられる様でした。
13時半から青野直甫西中国地区連絡協議会運営委員長のご挨拶、8司所長と地区連絡協議会顧問のご紹介、講師紹介があり、いけばな公開講座が始まりました。
会場となったシャレオ紙屋町 中央広場は、繁華街の地下ショッピングモールの真ん中でしたので、私も、大勢の皆様や歩いておられる方々にも届くようにと、マイクのボリュームMaxで「いけばなで美しい地球を守る」の講演を約一時間させていただきました。続くデモンストレーションのテーマは「平安を願い、祈りを込めて」。光岡道寛理事と二人で、約一時間で、景色いけ河川の景(太田川の風景)、十二律管、祈り花の三作品を生けました。
この公開講座は、8月6日の広島平和祈念式典に合わせて企画されたものです。デモ作品の内、二作品は、8月6日に 同会場で行われる「国境の無い花達展」にも展示されました。これは、十数年前に一人のフラワーアーティストが始めた、チェルノブイリでの原子力発電所事故の慰霊に寄せて毎年8月6日広島でお花をいけていた活動を、今年から青野直甫先生のご尽力によりいけばなインターナショナル広島支部が引き継いで、平和への願いと祈りの心を込めた趣旨がさらに広く世界に広がる事になったものです。
公開講座を、広島平和記念式典にあわせて開催していただいた事に深く感謝致します。いけばなで、命の大切さと、平和を願う心を伝え続ける嵯峨御流の花を、明日の平和祈念式典の日に展示でき、大変意義深いことだと思いました。
花は国や言葉を越えて、親愛の心を伝えられる!また、平和だからこそ花をいけることができる!と改めて痛感いたしました。
7月30日(土)、200名の会員を迎えて、「遊花一日・夏期大学」が 華道総司所芸術学院において開催されました。テーマは「造形美とIKEBANA」。外来講師は、京都嵯峨芸術大学講師多田千明先生、いけばなは私と服部孝月先生。午前中のデモンストレーションは、多田先生とのコラボレーションで、舞台上に前日からしつらえておいた板のオブジェに貝塚伊吹などを出合せ、大作制作を見て頂きました。花材は、杉板と、貝塚伊吹、ヘリコニアです。作品のテーマは「甦」、板状に変形された杉の幹を組み合わせて抽象的に神格化された巨樹をイ メージしました。作品制作中のBGMはJohn Cage、工具の音を使った前衛的、実験的な音楽です。
午後の実技は、受講生各自が50cm角の鉛板を使った花留や花器の制作実習です。イトバショウ・クロトンの葉・アンスリウム・トクサを出会わせ、200人の作品は、皆それぞれに自分なりのテーマを表現されていて素敵な作品が出来上がりました。
学院玄関ホールには、多田先生の作品を2作展示させていただきました。正面大きな木彫の花の作品は、ゆうに7~8mの大きさで、テーマは「New Species」(新 種)。この作品には、糸芭蕉とアジサイを出合せました。もう一つの迫力ある赤い椅子の作品、テーマは「復活の芽」。この作品には大沢池の名古曽蓮を。名古曽蓮をいけた器は、2007年に京都嵯峨芸術大学の陶芸科を指導されていた池田八栄子教授が、大沢池の復活を祈念して池の土を混ぜて 創られたものです。2007年は奇跡的に大沢池に蓮が現れ、初めて観蓮節が行われた年でもあり、以来、現在まで10年間毎年観蓮節を迎え、大変嬉しいことです。今年の観蓮節は朝9時過ぎから大沢池畔で、象鼻杯が嵯峨御流会の方のご奉仕で行われました。
さて、現在いけばなを飾る空間は、家の中だけに限らず、 野外あるいはデパートのショウウィンドウや舞台などなどあらゆる空間へ広がっています。時代や場の多様化にあわせて、いけばなも進化して現在に至る流れについて、私は明治維新後のいけばな界の動向について少しお話を致しました。明治維新・文明開化の影響を受けて起こった「前衛いけばな」と「いけばな新興宣言」についてです。
また、嵯峨御流華道総司所においても、造形的ないけばなを研究するグループ「鷁」が結成され、昭和43年に第一回「鷁」グループ展が開催されて以来、積極的に造形的ないけばなの研究がなされてきたことや、その後グループ「緂」が結成されてきたことなどもお話し致しました。嵯峨御流は1975年(昭和50年)以降毎年、梅田阪急百貨店の巨大なコンコースウィンドウに、年末から正月にかけて約半月間、迎春いけばな大作が展示され、それは現在まで続いていて、大阪市民に嵯峨御流が広く知られるところとなっています。
また、1985年(昭和60年)には、産経新聞社主催の「新進いけばな作家競作展」(現、いけばな新進作家展)が開催され、現在に至っています。今年、いけばな新進作家展は8月25日から30日まで、大阪心斎橋大丸北館14階において開催され、嵯峨御流から前後期に10名の方が出瓶されます。
また、第二次世界大 戦後、いけばなの国際化についてもお話しました。それは、大戦後、進駐してきた外国人が、いけばなに対する興味を持たれたことです。進駐軍の御夫人方が、いけばなの技術を学ばれ、それを本国に持ち帰ったこともあって、いけばなの海外進出が著しくなったのがこの頃です。昭和27年 以降 三大流派(池坊・草月流・小原流)が海外へ日本文化普及にでかけ、昭和31年(1956)9月、いけばなを愛好する 外国人たちによって「いけばなインターナショナル」が結成さ れました。その創始者はミセス ゴードン・アレンで、彼女はGHQに勤務していたアレン準将の夫人。ミセス アレンは、はじめ小原流、のちに草 月流、池坊、嵯峨流の各流を学んだあと、この組織を創設されたのです。昭和36年には、それまで 三大流派のみが海外支部からの招聘をうけていましたが、この年に、嵯峨流の辻井弘洲先生・博州先生が 海外I.I.支部から招聘され、海外での指導活動に嵯峨御流が参加するようになったと、文献に書かれています。
現在、「いけばなインターナショナル」は世界50数か国161支部、7600名の愛好者をもち、日本には13の支部2000名が所属されています。
名誉総裁は高円宮妃殿下、5年 に一度 世界大会が日本で開催され、来年4月12日~16日まで第11回世界大会が沖縄で開催されることになっており、嵯峨御流もデモンストレー ションを行う事になっています。