「把手共行」今月の門跡様のお言葉です。
手をとり共に行くと解釈させていただいて、いけばなの道を皆共に手を把りあいながら、絆を大切に進んで参りましょう。私たちは師や友と出会い、様々な国の人々とも出会いながら生きていきます。そのようなとき、いけばなは、きっと親愛の情を示すきっかけとなるはずです。目と目を合わせ、心を通わせて、まず自分から誠意を示すことで他人と親しくなれると思います。人生は人との関わりの中で豊かさを増していくものですね。
立派な銀葉の枝が入手できました。美しい木肌には、締まった葉がたくさん付いていました。「手」の漢字を思い浮かべながら、命はつながって存在するという力強いイメージを体用相応の姿に託した作品です。花器とアジサイの藍色と、銀葉の青葉に6月の季節を想い入れて。
愛宕神社の愛宕神・野宮神社の野々宮神をお祭りする嵯峨祭りは450年以上の歴史があり、1537年の文献に記述が見られる古いお祭りです。
祭神が二社、神輿も二基ある事や、お祭りの主催が江戸時代まで大覚寺・清涼寺などのお寺だということが他と違う特徴です。二基のお神輿は清涼寺の前を通り11:50に大覚寺に到着し、そこで儀式が行われます。
大覚寺勅使門を剣鉾がくぐり抜け、お神輿は勅使門の前で大覚寺僧侶の読経と神社の祝詞の両方、神仏習合の形で清め払いをお受けになります。その後は、五基の剣鉾(きく・ぼたん・おもだか・りゅう・きりん)が「りん」を鳴らし、お神輿が通るために邪気を払いながら一日かけて嵯峨一帯を練り歩くのです。
毎年第四日曜日です。
おそろいの法被には、大覚寺の寺章である、嵯峨の山山を上下に重ねた紋がつけられています。
私の家も鉾の町内です、お祭りが近づくと、毎夜「り~ん り~ん」と10mもの棹の先の「りん」を鳴らすお稽古の音がして、祭りの近づくのを感じるのです。
「風薫る」のテーマのもと、5月18日から19日まで、高野山東京別院にて開催され、テープカット並びに式典にに参列させていただきました。
昭和4年に創立され、歴代の司所長の年回忌を併せて行われました。
式典では、献華式に続いて、岡田脩克副総裁による荘厳華の迫力あるデモンストレーションを拝見し、華展会場では、格調高くいけあげられた伝承花や、別室の催事場では世界文化遺産富士山をイメージしたインスタレーション的作品などすばらしい作品が並び、盛会でした。
東京司所のますますのご発展をお祈り申し上げます。
爽やかなお天気の中、総本山仁和寺において開催された御室流いけばな展に、黒田知正部長様とご一緒に伺いました。立部祐道管長猊下にご挨拶申し上げ、先日当流華務長祝賀会にお運びくださいました瀬川大秀宗務総長様にも御礼申し上げることができました。
華展は、お手入れの行き届いた美しい境内に、すばらしい作品が一層映えて美しい絵巻のようでした。
公益財団法人 日本いけばな芸術協会主催の「日本いけばな芸術 北関東展」を拝見してきました。
宇都宮市の東武宇都宮百貨店5階で開催されました。嵯峨御流の作品は出瓶されていませんでしたので少し残念でしたが、地元の窯元の作品にコラボレーションで花をいけられていたのが大変好感で、地域の活性化にいけばなが貢献できる、素晴らしい取り組みだと思いました。
写真は、理事長 粕谷明弘先生の作品です。
5月17日、ファッションカンタータが旧嵯峨御所大覚寺で開催されました。
ゲストモデル は杏さん、すみれさん、など豪華キャスト。
大覚寺石舞台の正面左右に、一対の嵯峨御流の花がいけられました。石楠花と漂白ビンロウジュの葉、花器は銅器。この一対の花の他にも、大壺に桜・楓の作品が宸殿紅梅の脇にいけられ、お客様をお迎えしました。
また、レセプション会場の各テーブルにいけた『りんりん』の作品は、イベント業者の方にとても好評で、「これは優れた花器ですね」とお褒めの言葉をいただきました。
爽やかな風を誘う芭蕉の葉を主材として、五月晴れのブルーのデルフィニウムを取り合わせてみました。
門跡様が選ばれたお言葉「布施」について思うこと。
いじめに遭って以来、人をおびえ心に病をもった小学生の子供を、両親が思いきって子供一人でお遍路に行かせたところ、数か月後に戻ってきたときには、真っ黒に日焼けしてはきはきと物を言い、元気な子供になって帰ってきたそうです。
お遍路の人から差し出された「無財の布施」を受け続けて旅をする間に、子供は、おびえなくてもよい大人がこの世の中にはいるのだ、という安心感を得ることができたという事です。
四国の人々は、お遍路に「無財の布施」をなさるそうです。優しい言葉をかけ、笑顔で接し、食と宿を施すことが、強制的でなく、請われてしているのでもなく、ひたすらお遍路に差し出されつづける無償の愛情。
私自身がこの「布施」から学ぶことは、日常生活において、お金がなくても、物がなくても周りの人々に少しでも喜んでいただける方法がある、ことに気付くことです。ちょっとした心遣いや、挨拶と笑顔をこちらから発することから和は生まれ、自分の心が幸せになるのですね。
ところで、いけばなでは水揚げはとても大切なことです。しかも、テキスト通りにすれば必ず成功するというわけではありません。
大先輩の他流の御家元は水揚げの名人、水揚げをしたら、水があがって行く様子をじーーっと愛情込めて見つめてやることがとても大事なのだと教えてくださいました。命はつながって存在している・この想いを不思議に実感する言葉でした。
平成26年5月9日、いけばなインターナショナル神戸支部でデモンストレーションをさせていただきました。
神戸支部の皆様とは、父の代から長いご縁を頂いています。さわやかな五月晴れのこの日、大勢の会員の方や、嵯峨御流の友人がご参加くださいました。
1時間半のデモンストレーションでいけた作品と主な花材は、次の通りです。
花衣桁・・・五葉松 芍薬 枝垂楓 鉄線 熊谷草
漆塗馬盥・・芭蕉 むさしあぶみ
沼沢の景・・縞蒲 太藺 カキツバタ ほか
轡 亀 碇 七宝 などの花留に・・・斑入り八角蓮 雪持草 えびね蘭 真菖蒲
春駒をモチーフにした馬のオブジェに・・・板屋楓 花菖蒲 紫陽花 ほか
ウェブアルバムに写真をアップしていますので、ご覧いただけましたら嬉しいです。
https://picasaweb.google.com/mika930/201459II?authuser=0&authkey=Gv1sRgCMGgiOrq14i8uwE&feat=directlink
5月5日 嵯峨御流 岡田脩克副総裁の「龍雲会」の華展を拝見させていただきました。
テーマは「傳花の薫り」 そのテーマ通り、嵯峨御流の伝承花が、凛々しく格式高くいけあげられ、素晴らしい華展でした。
時代を経て受け継がれてきた伝承花の魅力を、今後も岡田脩克先生・芳和先生、龍雲 会の先生方からさらに発信してくださることを願っています。